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テーマ:連載戯曲(216)
カテゴリ:ティアーズマーク
健夫 しばらく相手が出るのを待つが、誰も出ないようで電話を切り、携帯をテーブルに置いてネクタイを締め始める
健夫 やっぱり誰もまだ来てないか・・・。 健夫 不機嫌そうに 健夫 じゃあ、行ってくる。 玲子 いってらっしゃい。 健三 おう。 健夫 出て行く 健三 本当に慌ただしいな。 玲子 ええ。 健三 テーブルの上の携帯に気付く 健三 あいつ、電話忘れてったぞ。 玲子 あら、本当に。 健三 追いかけるか?今ならまだ間に合うだろうし。 玲子 いいんじゃないですか?別に。それに一人にそれを許すと、みんなにしなくちゃいけなくなりますから。 健三 徹底してるな。 玲子 ええ、頑固なんです。 琴美 着替えてくる 携帯に気付く 琴美 あれ?これ誰の携帯? 健三 健夫のだ。 琴美 お父さんの?新しくしたんだ・・・。 玲子 そうなの? 琴美 だってこれ最新だもん。お母さん知らなかったの? 玲子 全然。 健三 最近のは、あれだな。よく分からないな、機能が多すぎて。 琴美 おじいちゃんが若いときは、急に連絡を取りたいときなんてどうしたの? 健三 急な連絡ってどんなんだ? 琴美 電車が止まって、待ち合わせに間に合わないとか・・。 健三 そんなの駅員に聞けばわかるだろ? 琴美 じゃあ、寝坊したときは? 健三 それは、寝坊したのが悪いんだから、誠心誠意謝る。 琴美 待ってる方は、来るまでずっと、そこにいるの? 健三 それは、帰る奴もいるだろうし、待ってる奴もいる。 琴美 不便だよ。時間ももったいないし・・・。 健三 昔はそうならないように、みんな気を付けてるから時間に厳しかったよ。今は、簡単に遅刻するだろ?みんな。電話すればいいやって。 琴美 まあ。 健三 ってことは、昔は今の奴らが寝ている時間も活動してたんだよ。ちゃんと間に合うように向かうんだから。 玲子 そう、時間は今より有効に使ってたの。だから私はみんなを起こさないの。 健夫の携帯が鳴る お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 24, 2007 01:39:00 AM
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