琴美 戻ってきながら
琴美 おじいちゃん、お母さんがいなくなったら生きて行けないんじゃないの?何処に何を置いたかすら忘れてたら・・・。
健三 ああ、生きていけないな。間違いなく。
琴美 ちょっとは否定しようよ。
琴美 健三に眼鏡を渡す
健三 否定できないものは、しょうがない。
琴美 もう・・・ほら、見てみて。
健三 眼鏡をかけ携帯を見る
健三 どれどれ・・・これは!?
琴美 これって、浮気の証拠じゃない?
玲子 琴美の朝食を持ってくる
玲子 皿を並べながら
玲子 誰からだったの?
琴美 それがねえ・・・。
玲子 何よ。
琴美 実は・・・。
健三 いや!
琴美 何?
健三 違う。これは違う。
琴美 何で?
健三 これは営業メールだ。
琴美 営業メール?
健三 ああ。飲み屋のお姉ちゃんがまた来てねの意味を込めていながら、あなたは特別よって雰囲気を出す為のアイテムだ。
琴美 でも、それが、営業メールだって何で分かるの?
玲子 だってお義父さん、常連ですものね。
健三 ・・・。
琴美 そうなの!?
健三 だって暇なんだよ・・・それに早い時間だと安いし・・・。
琴美 ・・・でも、お父さんって飲め無くない?
玲子 飲めないのにそんなトコ行って何してるんでしょうねえ・・・。
健三 あそこは、ほら、飲むだけじゃなくて会話する楽しみもあるし・・・。
玲子 ま、いいんですけどね。
健三、琴美 黙り込む