玲子 雰囲気を変える様に
玲子 琴美、今日は?
琴美 午後から授業。
玲子 そう。お義父さんは?
健三 ん~・・・。
玲子 どうされたんすか?
健三 ん~・・・何かあった気が・・・。
玲子 忘れちゃったんですか?
健三 ん~・・・。
琴美 おじいちゃんさあ・・・。
健三 何だ?
琴美 1回病院で見てもらった方がいいんじゃないの?
健三 何処をだ?
琴美 自分の頭を指差す
健三 俺はボケちゃいないぞ!
琴美 そうだとは思うけど、一応、念の為に・・・ね?
健三 嫌だよ。
琴美 なんでもないなら、それでいいじゃない。嫌だよ?私、おじいちゃんの下の世話なんて。
健三 どうせ、おまえはやらないだろ?
琴美 ん~そうだけど・・・お母さんだって、そうでしょ?
玲子 う~ん、そうねぇ・・・。
琴美 ほら!
玲子 そう言えば、あの屋根のあれって・・・。
琴美 屋根のあれ?
玲子 そう、屋根に付いてる・・・あれ。
健三 雨樋か?
玲子 あ~そうです、そうです。どうなりました?
健三 どうって?
玲子 修理なさってたじゃないですか?
健三 あ・・・
琴美 何?
健三 忘れてた・・・。
琴美 決定!!
健三 違うって、しばらくは大丈夫なんだよ、応急処置はしたんだから。ずっとは無理だって言うだけで。
琴美 はいはい。言い訳はいいから。
健三 でもなあ・・・。
琴美 もし、そうだったとしても、今は薬で進行を遅らせたりできるしさ。
健三 そうなんだ・・・。
琴美 深く考えるコトないって。お母さんと散歩がてら病院に立ち寄ってくればいいのよ。
健三 まあ・・・。
琴美 お母さんも、ね?
玲子 じゃあ、そうしますか?
健三 ・・・分かった。