夜、街の中
女性が2人組の男にからまれている
女性(以後・女A)
男性2人(以後・男A、女B)
男A いいじゃねえかよ、遊ぼうぜ!
女A やめて下さい!!
男B どうせ暇なんだろ?だったらいいじゃん!
女A やめてって!!
男A 強引に女の腕をつかみ引っ張る
男A いいから、こいよ!
激しい音楽と共に健介が現れる
健介 やめろ~!!!
男2人、声に驚き振り返る
同時に女 男Aの手を振り切り、健介の方へ走り寄る
女A 助けて下さい!お願いします!
男A 誰だ!貴様~!!
健介 ここは俺に任せて、あなたは早く逃げなさい。
女A でも・・・。
健介 早く!
女 頷いて走って逃げる
男2人 健介に向かってくる
男A お前、なにしやがんだよ!
健介 嫌がるレディを強引にってのは、紳士じゃないな、
男A は!?
男A 健介の胸ぐらをつかむ
男A 何、格好つけてんだよ!
男A 健介に殴りかかる
健介 捕まれている手を取り力を入れる
バキバキッ!!
音と共に男A 叫び声をあげる
それを見て男B 向かってくる
男B お前!何をした!!
健介 いや、友情の証に握手をしただけだが・・・?
男B 何だと!
男B 殴りかかってくる
健介 その拳をひょいとかわし、男Bに足をかける
男B つんのめって倒れ込む
男B くそ!
健介 あーすまん。痛かった?
男B ナイフを取り出し構える
男B ぶっ殺してやる!
健介 ぶっ殺す?ぶっ殺すぶっ殺す・・・ぶっって何だ?
男B 健介に向かいナイフを払う
健介 ちょっと後ろに下がってそれをかわす
健介 だから、「ぶっ」て何?
男B うるせーっ!
男B ナイフで健介を刺そうとする
健介 くるっと回ってナイフをかわし男Bの横に立つ
健介 そのまま男Bのナイフを持った手を手刀で叩きナイフを落とさせる
男B くそっ!お前何者だ!
健介 俺の質問には答えないで、そっちが質問かよ・・・まあいい、俺はな~!!
一層音楽が激しくなり
健介 スーパーサラリーマン!!し・ん・た・に!!
健介 そう言うと懐から名刺入れを取り出し、男Bに渡す
健介 困った時はご用命下さい!
男B 名刺を受け取り
男B お、お前が新谷!?くそっ!!
男B 男Aに肩を貸し逃げ出す
健介 街の平和は私が守る!
逃げていた女が戻ってくる
女A ありがとうございました!
健介 ・・・ところで、「ぶっ」って何?
場面は変わって研究所
健介 リラックスチェアのような椅子に横になっている
頭には、コードがたくさん付いたヘルメットのようなモノを被っている
椅子の隣にはモニター
そのモニターを見ている白衣の女性(以後・女B)
片山 モニターの隣に立っている
片山 あのさあ・・・。
女B はい?
片山 今のコントは・・・?
女B 新谷さんの脳内画像です。
片山 今のコントが?
女B ええ。
片山 あんなんでストレス無くなるのか?
女B ストレスの解消法に関しては、人それぞれですので。
片山 いや、だとしても・・・あれじゃあ、ただの面白サラリーマンじゃないか・・・。
女B 面白サラリーマン。結構じゃないですか?
片山 どういう意味だ?
女B このシステムは、確かにストレスを軽減させる効果を持っています。でも同時に、人の心の中までも覗いてしまうことになるのです。もしかすると自分でも気付いていない深層心理の願望までも・・・。
片山 じゃあ、新谷さんの願望が面白サラリーマンってことなのか!?
女B いえ、一度だけでは分かりません。何度か繰り返した結果出てくる共通点、これこそが真の願望なのです。
片山 なるほど・・・。
女B もし、そうして出てきた共通点が、誰か特定の人物の死。なんてことも、あり得る話なのです。それに比べれば、面白サラリーマン、大いに結構だと私は思いますよ。
片山 そうだな・・・。で?君は自分のは見てみたのか?
女B 私ですか?
片山 ああ。
女B いえ。
片山 何故?
女B 自分でも自分のコトが分からないから、人は生きてゆける・・・。自分のコトが分かってしまったら生きている意味のほぼ全てがなくなってしまう・・・そんな風に、私は考えておりますので。
片山 なるほどな。自分が分からないから生きてゆける・・・そうなのかもな。
片山 眠っている新谷をみて軽くため息をつく
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