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テーマ:連載戯曲(216)
カテゴリ:東京GUN-MAN
場面変わって研究室
片山 モニターから離れながら 片山 何で俺なんだ? 女B はい? 片山 だから、何でここに出てくるボスが俺の顔をしてるんだ? 女B あー・・・それは仕方無いですよ。 片山 どうして? 女B 考えてみて下さい。自分の夢の中に見ず知らずの全くの他人なんかが出てきたコトなんてありますか? 片山 うーん・・・言われてみれば・・・なかった・・かな? 女B 知らない人が、全く出てこない訳ではないんですけど、主要人物ではまず出てきません。 片山 そうなのか・・・。 女B その上、このシステムではあらかじめアンケートを採って身近な人物の関係を調査し、顔写真を頂いて、希望のキャスティングで映像を作り上げているのです。 片山 ってコトは何か?俺が悪役になってるのは、新谷さんの希望だってコトか? 女B いや、そう言うわけでは・・・。 片山 じゃあ、何でだよ。 女B 普通は、快く思って無い人物をキャスティングするんですが・・・。 片山 うん。 女B 特に思いつかないとのことでしたので・・・。 片山 で? 女B じゃあ、関係性の薄い人物にしようと思いまして・・・。 片山 誰が? 女B え? 片山 誰が思ったの?関係性の薄い人物にしようって。 女B ・・・私が。 片山 成程ね・・・ま、いいけど。ん?ってことは今の夢はたまたま見た訳ではなくて、元からこういう話があったってコト? 女B まあ、そういうコトですね。 片山 誰がシナリオ書いたんだ?こんなコント。 女B 所長です。 片山 あいつ・・・。 片山腕を組んで考えている 片山 それじゃあ、やっぱりこの夢でストレスを軽減できてるかわからないじゃないか!?うちの所長の妄想見せられたって! 女B いえ、所長が造ったのは本当のベースの部分だけです。 片山 ベース? 女B ええ、登場人物の設定と結果だけが決まっているんです。今回の場合、チンピラの男2人と追われてる女、それとチンピラを束ねてるボス、そして自分。これだけです。 片山 それだけ? 女B ええ、それだけです。ですから与えられた状況の中で、どのようなプロセスを辿って結果へと辿り着くのかに関しては、被験者次第という訳です。 片山 でも、それじゃあ凄い気弱な奴だったら、いつまでも結果に辿り着かなくなったりしないのか? 女B ええ、基本的には望む結果が手に入れられるまで永遠に話は終わりませんので。もっとも、アンケートを行っていますので、そのような方は最初から今回のようなストーリーは選択しません。 片山 なるほど、上手くできたもんだな。 女B ええ。 片山 ま、と言うことは、今回のスーパーサラリーマンは新谷が作り上げたのであって、所長が作った訳ではないってこと? 女B はい。 片山 それを聞いて安心したよ。これからずっと、あんなのばかり見せられるのかと考えたらうんざりする。 女B それは、私もです。 寝ている健介が少し動く 健介 んん~・・・。 片山 ん? 女B あ、目覚めます。 健介 目を覚ます 片山 お目覚めですか? 健介 んん。 女B 健介についている装置を外す 健介 ようやく意識がはっきりしてくる 片山 気分はどうですか? 健介 あ?ああ、まあ気分良く目覚めた朝に似てるかな。 片山 なるほど。 女B 装置を外し終え、脈を取り心音を聞いて 女B はい、今日はこれで終了になります。 健介 ああ。ありがとうございました。 そう言われ健介 立ち上がる 女B 片づけを始める 片山 どうでしたか?はじめてシステムを利用されて。 健介 うーん、まあまあかな? 片山 でも、どうしてこの夢を? 健介 いや、結局どんな夢を見るか決まられなくて、一般的なモノをって頼んだら、ヒーローものだったってだけで・・・。 片山 ヒーローもの? 片山 女Bの方を見遣り 片山 これってヒーローものだったの? 女B ええ、一応。 片山 でも、ヒーローものだったら変身とかしないか? 女B それは・・・。 健介 あ、多分それは私のせい・・・でしょ? 女B ええ、まあ・・。 片山 どういうこと? 女B 本来なら、変身するハズなんですけど・・・。 健介 私が子供の頃からあまりヒーローものを見てなかったので、どういう流れで変身するのかが分からなかったんですよ。 片山 はあ・・・。 健介 まあ、そうすると、変身しないヒーローってコトであんな風になったんじゃないかな。 片山 なるほど・・・で、どうしますか?これから。 健介 そうですね・・・ちょっと続けてみようかなと思ってるんですけど。 片山 本当ですか? 健介 ええ、できれば。 片山 わかりました。それでは、次は・・・。 片山 そういうと女Bの方を向く 女B そうですね・・・じゃあ次は再来週の土曜日で如何ですか? 健介 ええ、お願いします。 女B 分かりました。 片山 それでは、またお待ちしておりますので。 健介 荷物を手に取り部屋を出て行く 女B あ! 健介 はい? 健介 振り向く 女B できれば、次はどんな夢を見たいか決めてきて頂けると・・・ 健介 あー・・・今度はもう決まってます。 女B そうですか、それなら結構です。 健介 じゃあ、お世話様でした。 健介 出て行く 3場終了 最後まで読んで頂いてありがとうございます! 現在ランキング参加中!! クリック!!お願いします!! ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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