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テーマ:連載戯曲(216)
カテゴリ:Prison Colony
場面変わって警備員室
木村 以前電話中 木村 じゃあ、もうすぐ着くね。・・・・ああ、分かった。待ってる。じゃ。 木村 携帯を切る 安永 そこへ、少し急いで戻ってくる 安永 まだ、電話してたのか? 木村 あ、すいません・・・。 安永 まあ、良いけど。それより、レストラン街に変わったトコロはないか? 木村 レストラン街ですか?大丈夫だと思いますけど・・・なんかありました? 安永 いや、男2人で言い合いをしてたから・・・ 木村 言い合い? 安永 モニターを見ながら 安永 ああ・・・・あ、こいつらだ! 木村 落ち着いたみたいですね。 安永 ちょっとなあ・・・ 木村 何か? 安永 なんだろ?堅気に見えないって言うか・・・な。 安永 モニターから離れる 木村 まだモニターを見ていたが 木村 あ! 安永 どうした? 木村 いや、こいつらまた揉めてるみたいですよ。 安永 は? 安永 再びモニターに目を向ける 木村 あ! 安永 なんだ?何があったんだ・・・? 木村 逃げたように見えましたが・・・ 安永 ああ・・・。俺はこいつら追いかけるから、おまえはココで何処に行ったか無線で知らせてくれ。 木村 あ、はい。分かりました。 安永 じゃ。 安永 部屋を出る 場面変わって最上階階段踊り場 孝明 走り込んできて後ろを確認し、バックを開け何やらいじっている 孝明 くそ!やっぱり駄目か・・・。 孝明 バックを閉めると、後ろの気配に気づき再び走り出す 黒川 そこへ走り込んでくる 黒川 くそっ!何処行った・・・。 黒川 携帯を取り出す 黒川 ああ、すいません。黒川です。・・・いや、奴に逃げられまして・・・すいません・・・はい・・・多分下に降りたと思いますが・・・はい。分かりました。それじゃあ、すぐに俺も下に降ります。 黒川 携帯を切り、来た方向へ走り去る 第5場 香西孝明の過去 1ヶ月前 場面は広敏の自宅 広敏 ドアベルの音に反応し玄関を開ける 孝明 立っている 広敏 おう!どうした? 孝明 押し殺した声で 孝明 何でだ!? 広敏 何が? 孝明 どうして、あんなトコロで使ったんだ! 広敏 うつむいていたが、顔をあげ 広敏 ま、上がれよ。 孝明 広敏に導かれるまま部屋に上がり込みソファに座る 孝明 聞いてないぞ!俺は! 広敏 まあ、落ち着けよ。・・・俺も、知らなかったんだ。 孝明 だからって!! 広敏 俺もちゃんと聞いてないから、良く分からないけど、事故だったんだよ、きっと。それに良かったじゃないか?犠牲者って言っても2人だけだ。 孝明 2人もだ!2人もだぞ、2人も死んだんだ! 広敏 そんなに大きな声を出すなよ。ここの壁薄いんだからな。違法建築じゃないのか?上の住人の足音は聞こえるしさ、夜も満足に寝られたもんじゃないよ。 孝明 関係ないだろ!そんなこと。それに事故ってなんだ?そんなモノ起こらないようなモノ作ったはずだろ? 広敏 でも、現場じゃ何が起こるか分からないもんだぞ? 孝明 ちゃんと計画を立ててやってるのか?お前等は! 広敏 どんなに計画を立てても、その通りにいかないコトだってあるさ。 孝明 そうならないようにするのも、お前等の仕事じゃないのか 広敏 ああ、分かってるよ。でも、ほらおまえも有名になれたんだからさ。 孝明 は? 広敏 そりゃそうだろ?・・・最初はただのクズだと思われてたあの・・・なんだ?カブトムシの角だっけ?あれが今回の現場でも見つかったんだから。これで、都職員庁舎建築現場の爆発も、地下鉄のトイレの爆発も今回の警視庁も同一犯の爆弾だって宣伝したようなもんだ。おまえもそのつもりで入れてたんだろ?あんなモノ。 孝明 俺は・・・俺はそんなつもりじゃ・・・。 広敏 だったらどういうつもりで入れてたんだよ。わざわざ自分で作ってさ。 孝明 だから、俺はそんなつもりは・・・! 広敏 おまえにそのつもりがあろうがなかろうが、周りはそう見るんだよ! 孝明 黙ってうつむいたまま動かない 広敏 ・・・まあ、でもさ、こっちからすれば良い方に転がったよ。 孝明 どういう意味だ・・・? 広敏 結局、人間なんて忘れて生きてくもんだろ?そういう意味では、今まではあまりにも早く忘れられすぎた。でも、流石に死人が出れば、そうそう忘れないだろ?それに警告を聞かなければこっちは本気だっていう決意表明にもなったんじゃないか? 孝明 まさか・・・お前等・・・。 広敏 いや、今のは結果論だよ。結果論。 孝明 ・・・ 広敏 それに爆弾を作ってるってコトは、そういうコトだろ?何かを壊す為に作ってるんだから。 孝明 俺は!・・・俺は人を殺す為に作ったつもりはない! 広敏 そう思ってるのはおまえだけだ。 孝明 そんなコト無いだろ!ちゃんと言ってきたじゃないか!人がいるようなトコロでは爆発させないって!! 広敏 ああ、聞いたさ。だから俺達だって、人の近寄らないような場所や、人がいない時間を狙って使ってきたじゃないか。でもな警察の連中だって、ニュースで見た奴らだって、俺達だってな・・・アレは人殺しの道具だと思ってるんだよ 孝明 ・・・ 広敏 ・・・今回は事故だったが、これからは分からない。 孝明 ・・・だったら俺は降りる。 広敏 おまえはもう降りられないトコまで来てるだろ? 孝明 でも、もう俺は作らない。 広敏 おまえだってぶち壊したかったんだろ!?親も兄弟も友達も全部壊したかったんだろ!? 孝明 俺は、そんな・・・。 広敏 おいおい、まだしらばっくれるつもりかよ!いい加減にしろよ。俺はおまえの願望の手助けをしてやってただけだ。おまえだって利害が一致したから作り続けてたんだろ? 孝明 ・・・ 広敏 黙りこくってても、誰かが代わりにやってくれるわけでも、状況が変わる訳でもない。いいか?自覚しろ。おまえの作った爆弾で人が死んだんだ。そして、警察はその爆弾を作ってるおまえを脅威に感じてる。だから、俺達もおまえの作る爆弾をより効果的に使う方法を考えてる。 孝明 しばらく黙っている 広敏 煙草に火をつける 孝明 分かったよ・・・ 広敏 そうか? 孝明 ああ・・・多分、俺も分かってたんだ。いつか、こうなるって・・・。 広敏 そうか。 孝明 ただ・・・ 広敏 なんだ? 孝明 俺に・・・セッティングもやらせてくれないか? 広敏 俺達じゃ任せられないってのか? 孝明 そういうんじゃないが・・・俺は最後まで責任をとりたいんだ・・・爆発した最後まで。それにな、爆弾は爆発させてこそ爆弾なんだ。お前等の爆発のさせ方は美しくない。大体、事故ってなんだ?死なすつもりはなかったのに死んじゃった?そんな爆弾を俺は少なくとも作ったつもりは無い!!誰かを殺すつもりなら、そういうのを作る・・・。 広敏 ・・・そうか分かった。・・・そうするように上には言っておく。 孝明 頼む・・・。じゃあ、帰るわ。 広敏 ああ・・・。 孝明 部屋を出て行く 広敏 孝明が出て行くのを待って電話をかける 広敏 もしもし、俺です。・・・ええ、今、家に来まして・・・・ええ・・・・とりあえず納得はさせましたが・・・次あたりが最後かと・・・分かりました。じゃあ・・・・そういう方向で・・・。 広敏 電話を切る やる気変動アイテム使用中!!クリック1つでランキング上昇!? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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