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テーマ:連載戯曲(216)
カテゴリ:どん・きほーて
そこへおっさんとぼうずがやってくる
ぼうず あのさ・・・ おっさん 何だ? ぼうず 俺たち土地勘ないじゃない? おっさん そうだな。 ぼうず 俺たち、迷ってるような気がするんだけど・・・。 おっさん おい、ちょっと待てよ。 ぼうず 何? おっさん おまえ、分かってて歩いてたんじゃないのか? ぼうず ここまで、一度たりともおっさんの前を歩いた記憶は俺にはないんだけど。これって記憶違い? おっさん おい、マジかよ。じゃあ、俺たち今何処にいるんだよ! ぼうず だから、それが分からないって話をしてるんだろ!? おっさん そんなに怒るなよ。 ぼうず 怒りたくもなるよ。無計画に突っ走って! おっさん じゃあ聞くけどな。計画なんて立てる暇があったか?普通に飲んでたら、いざこざが始まって、それに巻き込まれてるのが、あの人だって分かって、とりあえず助けて、追いかけてきて・・・ほら、そんな暇何処にもなかったじゃないかよ! ぼうず この旅に出る前には充分に時間はあったと思うけど? おっさん 旅に出てもいないのに、ここでこんな事態に遭遇するなんて分からないだろ!?未来が見える訳じゃないんだから! ぼうず その前に、旅に出るかどうかを、考える時間は充分にあったんじゃないの!? おっさん 出ちゃってから、そんなコト言ったってしょうがないだろ! ぼうず 出る前には、俺に発言する隙間を与えてくれなかったじゃないかよ! おっさん あー・・・俺は、おまえがそんなに友達甲斐のない奴だとは思わなかったよ。 ぼうず あのさ・・・ここまで付き合ってるってだけでも相当、友達甲斐はあると思うんだけど・・・。 おっさん 友達なら最後まで付き合えよな! ぼうず だから、無計画に突っ走っても駄目なんじゃないの?って俺は言いたいの。 おっさん 計画立てるって言ったってさ・・・どうすりゃいいんだよ。 ぼうず まあね・・・。 そこへ廉治が男と一緒にやってくる 一緒にやってきた男 小泉雅史(28) 以降:雅史 廉治 あ!おまえ等ぁ!! おっさんとぼうず 驚いて振り向く ぼうず 来やっがたあ!! おっさん ・・・誰? ぼうず ・・・?さっき店で女の子を連れて行こうとしてた・・・ おっさん ああ!あいつか! ぼうず もう忘れたのかよ! おっさん 俺は人の顔を覚えるのが苦手なの!特に日本人は見分けがつかない! ぼうず おっさんだって日本人だろ?そんなんで、よく運命の人だって分かったな。 おっさん 女は別だ。 ぼうず ああ・・・そう・・・。 廉治 ふたりに詰め寄ってきて 廉治 おまえら、こんなトコでなにやってるんだ!? ぼうず 別に・・・ただ酔いを醒ましてるだけだよ・・・なあ? おっさん ぼうず、あんなんで酔ったのか?どっか具合でも悪いのか? ぼうず ちょっと、黙っててくれるかな。 廉治 おまえ等、やっぱりウチの娘となんか関係があるんだな!?娘は何処行った!! ぼうず 知らないって、話したこともないんだから! おっさん 俺はちょっと喋ったもんね。 ぼうず 黙れ。口を開くな。 廉治 まあ、いいさ。関係ないなら邪魔するなよ! 廉治 雅史の方を見て 廉治 じゃあ、向こうを探そう。 雅史 ええ。 ぼうず なんだよ、味方を増やしたのかよ! 廉治 味方ってなんだ?雅史君は娘の婚約者だ! ぼうず 婚約者!? 廉治 何だよ! ぼうず いや、別に・・・。 おっさん 意味ありげな口調で おっさん そこの・・・婚約者さん? 雅史 は? おっさん その・・・縁談は・・・即刻やめなされ・・・・。さもないと・・・・ おっさん 震えだす ぼうず どうした! おっさん 怖い・・・あぁ!怖いコトが・・・・悪魔の・・・悪魔の子が・・・・! おっさん 気絶する お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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