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テーマ:連載戯曲(216)
カテゴリ:どん・きほーて
桐子 最低限の保障でいいなら、このままでいいでしょ?なんで改装する必要があるのよ!
廉治 嫌だね、俺は最低限なんかじゃ。こっちは1円も出さなくてもココが新しくなるんだぞ?こんな良い話逃す手はないだろ?大体、子供じゃねえんだから、いつまでもぐだぐだ文句言ってるんじゃない!! 桐子 勢いよく受話器を叩きつけ 桐子 大人だから結婚できるんでしょ!? 廉治 おまえ、あれだけ金持ってるんだぞ!贅沢し放題じゃないか!ちょっとくらいうるさいお母さんがいることくらい許してやれ!それ以外に不満な事はあるのか!? 桐子 ・・・和人・・・。 廉治 もう、あきらめろ。あいつはどうせ助からない。 桐子 そんなコト言わないでよ! 廉治 金の無い奴のトコ行ったって苦労するだけだったんだから、良かったんだよ。おまえだって今は、そんなコト言って嫌がってるけど1年も経ったらきっと良かったって思ってるはずだよ。海外旅行にだって行きたい放題だぞ? 桐子 行きたい放題? 廉治 ああ、ちょこっとマザコンを我慢すれば、旅館だって新しくなって・・・おまえも食べたいもの食べてやりたいことやって・・・何か不満な事あるのか? 桐子 でも、好きでもない男とずっと一緒にいなくちゃならないのよ!キスだってセックスだってしなくちゃならないのよ! 廉治 そんなの目をつぶっちゃえば、誰だって一緒だよ! 桐子 そんなコトないわよ! 廉治 じゃあ何が違う? 桐子 触った時に和人は筋肉でがしっとしてるけど・・・あの人は・・・なんかブヨッとしてそうじゃん!?触ったこと無いから分からないけど・・・。 廉治 そんなのある程度、年取ったら変わらんぞ。 桐子 ある程度、年取るまでが嫌なんじゃないの! 廉治 ブヨッとって思うから駄目なんだ。ふわふわーとかマシュマロみた-いとか考えようによっては色々あるだろ?おまえは最初から悪いイメージを持ちすぎだ! 桐子 でも・・・ 廉治 でも・・・じゃない!それがもし、今まで出会ったことも無いくらいに良かったらどうするんだ!? 桐子 そんなこと・・・ 廉治 無いって言えるか? 桐子 うーん・・・。 桐子 考え込む 廉治 だろ?物事、頭で考えてるだけじゃ駄目な時ってのもあるんだ。とりあえず飛び込んでみないと分からないことがな。 桐子 そうなの? 廉治 ああ。だからな・・・ そこへ和人の声が飛び込んでくる 和人 桐子、桐子―!!! 桐子 声の方向を向く 桐子 和人?和人―!! 廉治 あーくそ!あとちょっとだったのに!! 和人 入ってくる 和人 桐子!大丈夫か?何もされてないか? 桐子 深く頷いて 桐子 うん! 廉治 俺が娘に何かするわけないだろ!? 和人 強引に連れてったじゃないか!? 廉治 我が家の門限は10時なんだ!それを過ぎたから、引っ張って帰るのの何処が悪い!! 和人 門限!?・・・そうなの? 桐子 う・・・うん。 桐子 決まり悪そうに頷く 和人 と、とにかく、俺が気絶してるのを良い事に無理やり連れ帰りやがって! 桐子 そうだ、和人大丈夫だったの?怪我は? 和人 ああ、大丈夫だ。 廉治 そいつに自殺する勇気なんてねえよ。ましてや、自分で自分の腹を切る勇気なんてな。 和人 なんだと! 廉治 ま、あそこで自分の腹を切れるようなら、俺も少しは見直してやったんだけどな。 和人 あ、言ったな?ちゃんと刺しました!ホラ!ホラ!! 和人 洋服をまくりお腹を見せる 桐子と結婚できる資格を下さい。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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