ティアーズマーク 7-2
健夫 茶箪笥を開ける健夫 ほら、あったぞ。玲子 あら、そんなトコに?健夫 ああ。今日は病院に行ったりして疲れたろ?ちょっと休むか?玲子 ええ。健夫 じゃあ、行こうか。健夫 健三、琴美の方を向き健夫 ちょっと寝かせてくる。健夫、玲子 寝室に向かう琴美 これからどうなっちゃうんだろ・・・。健三 そうだな・・・。琴美 なんで?なんでこんなコトになっちゃったんだろ?健三 ・・・仕方ないさ・・・。琴美 仕方ない?そんな風に思えないよ。だって昨日までは、別にいつも通りだったじゃない!健三 いつも通りに見えていても、いつも通りじゃなかったんだよ・・・。いや、いつも通りだと思いこんでいたんだな・・・。今日とは違う明日なんて、疑いもしなかったんだ・・・。琴美 うん・・・。2人ため息をつく琴美 どうするの?お父さんは、あんなだから頼りにならないし・・・今はまだ良いとしても・・・。健三 そうだな・・・。介護施設とか・・・か・・・。琴美 施設・・・。健夫 戻ってくる琴美 おとうさん。健夫 ああ、大丈夫だ。琴美 これから、どうするの?健夫 ああ、そうだな・・・。琴美 やっぱり、施設・・・?健夫 いや、施設は難しいらしい。琴美 え?健夫 若いと力が強いだろ?結構病気が進んでくると、徘徊とかが出てくるらしいんだが、それを止められないんだそうだ・・・ま、女だからな、看てくれるトコも探せばあると思うけど・・・。健三 しかし、まさかな・・・玲子さんが・・・。健夫 まあな。琴美 ・・・お父さんさあ・・・。健夫 あ?琴美 さっきから、なんか軽いっていうか、実感がない感じがするんだけど・・。健夫 まあ、そうかもな。あいつはいつでも元気で、いつでもそこにいるのが普通だって思ってたからな。そう言って健夫 台所の方を見る