BOMb 第2回
文哉 じゃあ、由紀は何がしたいの?由紀 したいコトって言うか・・・聞きたいコトがあってね。文哉 聞きたいこと?由紀 うん・・・。文哉 俺に?由紀 そう。文哉 本当に俺に?由紀 そう。文哉 何で俺に?由紀の方が確実に俺より色々知ってるだろ?由紀 それでも、文哉の方が知ってるコトなの。・・・私なんかよりね。文哉 なんだ、それ。・・・クイズ?由紀 クイズじゃないよ。文哉 何だぁ?・・・それ・・・。 文哉 考え込む 文哉の後ろの方の席に家族連れがやってくる 両親と10代中盤くらいの娘 娘 お父さんってさあ、いつもお昼は何処で食べてるの?父 最近は・・・あ、会社の近くに旨いカレー屋ができたんだよ。そこはよく行くなあ・・・。娘 いくら?父 え?娘 そこのカレー。父 ランチセットでサラダとコーヒーがついて850円。 娘 母親の方を向いて 娘 ほら、850円だってよ!母 何がよ。娘 500円は少ない!父 あれ?おまえ昼は弁当じゃないの?娘 それがさ、よく作ってないのよ。で、その時に貰えるのが500円。父 そうなんだ。母 十分じゃない。朝ご飯も晩御飯も家で食べるんだから、おにぎり2つと飲み物だったらそのくらいでしょ?娘 育ち盛りなんです。そんなんじゃ部活までもたないよ。父 でも小遣いも貰ってるんだろ?娘 それは、それでしょ。父 そこからちょっとくらい補填したらいいじゃないか。全部出せって言ってる訳でも、毎日出せって言ってる訳でもないんだから。娘 お父さんは黙ってて!今はお母さんと交渉中なの!父 ああ・・・すまんね・・・。 文哉のトコロに ウェイトレスがトレンチに色々載せてやってくる ウェイトレス お待たせしました。 ウェイトレス サンドイッチと飲み物をテーブルに置く ウェイトレス 以上で宜しいですか? 文哉 目を瞑ってまだ考え込んでいたが、その声で驚く 文哉 え?あ、ああ、はい。ウェイトレス ごゆっくりどうぞ。 ウェイトレス 立ち去る 文哉 ウェイトレスが立ち去るのを待ってサンドイッチに手を伸ばす 文哉 いや~今日まだ何も食べて無くてさ・・・。由紀 そう。で、何話してたか、覚えてる?文哉 え?・・・なんだっけ?由紀 だから聞きたいコトがあるの。文哉 ああ、そうだった・・・で、何?由紀 何、もう考えるのやめちゃったの?文哉 だって、考えても分からないモン。由紀 可愛く言うな。もう・・・ちゃんと考えてよ。文哉 でもなあ・・・何?全く思いつかない。由紀 いいよ、もう・・・とりあえず食べちゃいなさいよ!文哉 いい?食べちゃって。由紀 いいわよ。文哉 すいませんねえ・・・で、映画は?由紀 映画は駄目。文哉 ちっ! 場面変わって警備員室 モニターをみつめる男 安永篤志(59) 以降:安永 そこへ同僚が入ってくる 木村剛(33) 以降:木村 木村 お疲れ様です。安永 おう、お疲れ。 木村 壁に掛かっている時計を見て 木村 安永さんも・・・あと4時間半ですか・・・。安永 ん? 安永 時計を見て 安永 ああ・・・そうだな。木村 もう、次の仕事は決まったんですか?安永 いや、まだ決まってない。木村 そうですか・・・。安永 まあ、でもしばらくは貯金と退職金があるから大丈夫だよ。木村 なら、良かったです。安永 世話になったな、君には。木村 いえ、そんなこと・・・でも・・・安永 まあ、そうだな。君とは長い付き合いになりそうだし・・・。木村 ええ。・・・そろそろ亜紀さんと仲直りをするってのは・・・安永 その話は、いいよ。それにな、俺にその気があったとしても、亜紀の方にその気がなけりゃ無理だろ?木村 ってことは亜紀さんが仲直りをしようと思ってれば・・・安永 まあ・・・いや、終わり終わり!最後の日なんだから、辛気くさい話はやめよう。木村 はい・・・わかりました・・・でも安永 終わり。ほら、もうすぐ巡回の時間だぞ!木村 え?ああ・・・そうか・・。じゃあ、行ってきますね。 木村 立ち上がると携帯が鳴る 木村 あ、すいません。 木村 安永に詫びを言って携帯をとる 木村 はい。・・・ああ、亜紀か。 木村 安永の方を見る 安永 その様子を見て、立ち上がり帽子を被る 安永 巡回は俺が行ってくる。木村 いえ、すぐに・・安永 いや、いいよ。 安永 部屋を出る やる気変動アイテム使用中!!クリック1つでランキング上昇!?