桜若葉のころに
新元号がスタートして、世はお祝い気分に満ち溢れている。マスコミは挙って天皇関連のニュースを流しまくり、どのチャンネンルを見ても、大同小異、少々食傷気味になっている。 10連休というこれまでにない長いゴールデンウィークではあるが、当方にはほとんど関係もなく、週3回の勤務が続いている。 退職などという節目はあったものの、凡庸に流れる日々の移ろいは、十年一日の如くに過ぎて行く。窓外の新緑の木々を見ては、自然の摂理という言葉を書き送ってくれた人を思い出したりしている。桜若葉の頃はそれほど感傷に浸る季節でもあるまいに、こんな気分でいる自分を少しく持て余している。 林邸の庭にある樹齢200年を超える山桜の若葉は、遥かに遠く自由の風を吹かせたチューリンゲンの森を夢想させ、「自由は土佐の山間より出づ」と意気込んでいた林有造や板垣・植木枝盛の意気込みや矜持が風に漂っているようである。 【中古】 板垣退助 自由民権の夢と敗北 / 榛葉 英治 / 新潮社 [単行本]【ネコポス発送】