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カテゴリ:仕事・しごと・シゴト
金曜日は、看護師の定員が一人足りないことと。
眼内の注射があったり・・で、とにかく人手が足りません。 なので、移動する時は当然のように小走りとなっています。 そんな時、とある女性の方が 「こら、こら・・おい・・おーいい」 と、私を手招きするのです。 走っていたからかな?と思いつつ 「どうされました?」と笑顔(って言ってもマスクだから目元しか見えない)で近づいたら。 いきなり 「抱いて!!」 え?? 隣に座っていたご主人が 「看護婦さんは、忙しいっちゃが!!駄目じゃが、仕事の邪魔をしたらいかんが!」 (看護婦さんは忙しいんだよ。駄目だよ、仕事の邪魔をしたら駄目だよ) と、たしなめて下さったのです。 そう・・その女性の方は、認知症が進んでしまって。 理解力が落ちているので、視力も測ることが出来ない状態なのです。 付いてきているご主人は、奥さまを施設に預けて。 受診の時には、付き添って一緒に来て下さっています。 ところが、私が前を通るたびに女性は手招きを止めず。 抱いて!抱いて!を繰り返し。待合室周囲の患者様も、不審な顔をして見る始末。 なので、ちょっと足を止めて。その方の顔をのぞき込みながら 「抱くんですか?」と尋ねると。 「私をぎゅっとして!あの子くらいしか、私をぎゅっと抱いてくれないの・・」 あの子とか、ずーっとぼそぼそと語る言葉のほとんどは、意味不明でしたが。 立ち止まった私の制服のポケットを掴んでしまっていたので。 「じゃあ、私で良かったらぎゅっとしましょうね?」と その方の上半身をハグしたなら。 私に抱きついたまま、泣き出してしまって・・・・ なんだろうね?寂しかったのかな? 体温が恋しかった? ぎゅっとされたら、安心? 周囲の方は、苦笑いのような微笑みのような・・・微妙な表情になっていました。 「私で良かったら、またハグしますからね」 背中をポンポンと叩いて、取り敢えず離れたのですが。 一番恐縮していたのは、隣のご主人でした。 ご主人もハグなんてしないんだろうね・・・・ そう言えば、最近母ともハグなんてしていないなぁ・・・なんて思っていました。 子供の頃には、母は暖かくてフワフワしていて、大きく感じたものですが。 今だったら、小さくてぎゅっとしたら壊れてしまう?? その方は、味を占めた??のか。 その後も私が通りかかるたびに手招きするので、ちょっと困った事にはなったのですが。 看護の看と言う時は、目の上に手がある状態。 熱などを手をかざして、観察する状態の漢字です。 護は、言うまでもなく護るですからね。 見て護る。 温もりって、看護には大事だよね・・とふと思った午後でした。 まぁ・・相手が女性だから出来たけど。 これが、同じお年寄りでも男性だったらしないなぁ(大笑) 移動の為に抱えると言う行為はあるけどね。 男性の場合には、きっと「色ぼけじじい!」ってなるんだろうね(^^; お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年10月30日 22時27分17秒
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