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カテゴリ:読書
堕ちゆく者の記録
堕ちゆく者の記録 秀香穂里:原作 高階佑:イラスト 再読です。 秀さんの本って、すっごく暗くて辛くて大変なのですが。 最後の最後に、ドスン!と来ます。 この本の感想は、3シェイクの時にチラッと書いていますが。お友達が、この本を読んでいらして。 それで、たまたま手にとってみた本でした。 イラストが、高階さんで。 高階さんのイラスト平積みに弱い私(大笑) だって、見て下さいな!! この表紙の攻めのエラソーな視線(大笑)に、先ずは絡め取られてしまいました(^^; ちょっとダブりますが、改めてちゃんと書こうと思ってしまいました。 あらすじ・・・ アパレルメーカーで、阿東英司はチーフデザイナーとして新たなブランドを立ち上げ。 それにも成功を収めた矢先、会社の社長・石田敬一に監禁されてしまう。 「今日から、君をAと呼ぶ。私の事はKと呼ぶように」 と宣言される。 30日間、全てを相手に奪われた状態でAが最後に選んだものとは・・・ 感想 9月1日から始まる期限付きの拘束生活。 異様な設定の中、狂気と正気の狭間を駆け抜けていく二人。 名前と言う、自分と他者を分ける印であるものを奪われ、アルファベットで呼ばれてしまう阿東。 そして、何か書けと渡されたノートと鉛筆。 AとKの独白のような日記と、阿東目線での話が混在して進んでいきます。 与えられる苦痛と快楽。 閉ざされた空間で、相手しかすがるものがなくなった時。 そして、阿東がデザイナーであると言うことも重要なポイントになっていきます。 あとがきで、作者さんが書いているように。 これは、一種のテストケースなのかな?と思います。 読む人を選んでしまう賭けのような作品だと・・ そして、秀さんは何をBLで描いていくのだろう?何を目指していくのだろう? と思ってしまいます。 秀さんの描いた作品では、父子ものの血鎖の煉獄もそうですが。 とことん人物を極限状態に追い込みますよね・・ 今回は、自由と名前を剥奪された極限状態で生まれた狂気がテーマかな? 石田の方は最初から狂気に取り憑かれていると言っても過言ではありません。 しかし、阿東はそこまで非凡な人間とは見えなかったのに。 与えられたノートに、石田をモデルとしたデザインを描き始める頃になると。 何故、石田が阿東を選んだのか?の片鱗が見えてきます。 秀さんの好きな(大笑)クリップが、ここでも出てきますし。 結構、最後まで痛いと言うか・・・ハードと言うか・・・なのですが。 ただ・・・石田が、自分をKと呼ばせた理由。 阿東をAと呼んだ理由。 なんとなく、石田のKは、名前じゃなくて王様のキング?くらいしか思わなかったのですが。 単に名前のアルファベットじゃなかったんだ!と言うのが解るラスト。 ここで、いきなりストーン!といろいろが落ちてきます。 あぁ!!これか!みたいな(^^; そこに至るまでが、大変だっただけに。 もう、こんなお話はいやぁ!!と思っていたはずなのに。 まるで、読んでいた私までもが石田の暗い闇に囚われてしまったかのようです。 ただ・・3シェイクで書きましたが。 Aの選択は、ちょっと私には解らないものがありました。 その選択は、ストンとは来なかったのですが・・・ 暗い闇に囚われてしまった!と言うことで・・はい。 何故か、忘れられない一冊になってしまっているのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年11月17日 22時10分18秒
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