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カテゴリ:読書
蒼穹の剣士と漆黒の騎士



蒼穹の剣士と漆黒の騎士

夜光花:著
山岸ほくと:イラスト


あまり動けないけど本は読める(大笑)状態なので。
ただいま、鋭意?積み本消化月間??

はい・・これも、イラストに惹かれたのと。
「忘れないでいてくれ」で夜光花さんが面白い!と思った頃だったのかな?
新刊で買って、そのままでしたね(大笑)

買った時に「買ったよ~」とだけ書いて。
しっかり積んでしまっていました。

あらすじ
肥沃な大地・カルバナを支配しているセントダイナ国。
鳥人族は、居住に関する取り決めをセントダイナの王と交わしている。

その為、時々はセントダイナを狙う他国との争いに手を貸しているのだ。

現在の鳥人族の長・ユーゴは、そんな中にあって。珍しい純白の翼と長い金の髪を持ち。
戦いを好むところがあった。

しかし、戦いの場で彼を苛立たせるのは、戦士である自分を守ろうとする黒い悪魔・狼炎の目であった・・・

そんな時、現国王の娘がユーゴの妻になりたいと言い出して・・・


感想
あとがきによると。
小冊子のコラボ企画で、山岸さんの絵に夜光さんが話をつける・・と言うものがあったそうです。

その企画で、絶滅した鳥人の最後の生き残りのお話を書いて。
その作品が楽しかったので、じゃあ鳥人族がまだ沢山居た頃の話にしよう・・と出来たのがこの作品なのだそうです。

BLはBLなのですが。
思うような色気と言うか・・・ラブラブの甘甘(どんなんや)ではないお話でした。

そうですねぇ・・ファンタジーの世界にちょっとBL要素って感じ?

はい・・そこで、BLはファンタジーでしょ?って突っ込みはなしです。
ファンタジーのBLなんだけど、これはまさしく異世界ファンタジー!!

翼を持つ種族が居たり。
巨人族が居たり、竜が空を飛んだりしています。

人間とそういう異種民族が共存している世界・・
まさしく、ファンタジー中のファンタジーでしょ??

主人公のユーゴは、少数民族の鳥一族の長。
恋愛ごとよりも、一族の幸せと繁栄を常に考えている状態です。

なので、お前が好きだ!といろいろな人に言われても。
一族のために、一族の女性と番になって卵を増やさないといけない状態なのです。

そう・・・表紙の絵を見ていただくと解りますが。
金色のサラサラロングヘアーに、白い翼!!
天使様!?と思えるような綺麗な人なので、王女様や騎士様からも熱い視線を受けております。

特に、王女様なんて「異種民族」は解っていても。
妖しいまじない師にのめり込んでいる父親への当てつけもあって、鳥一族の巣に押しかけてくるほどです。

この王女様の押しかけと、妖しいまじない師。
ユーゴの髪を飾った真珠が様々な発端となって、事件は起こっていきます。


王女を諦めさせるために、とにかく一族の女性と結婚しちゃおう!!!
が!結婚式の準備を始めても、王女は一族の習性を知っている為。
私を諦めさせるためのお芝居なのね?!となってしまいます。

鳥一族の習性として、繁殖期以外ではそういう気分になれないのですね(^^;。
既成事実(卵)を作ってしまう?為、媚薬をもらわなくてはいけない・・・事になります。

その媚薬を持っている一族と言うのが、剣を交えてやっと仲良くなった狼炎の一族。

しかし。妖しいまじない師が、ユーゴの死を予言した事から。
ユーゴは媚薬をもらうついでに、狼炎の所に身を寄せることになりますが・・

このお話の最初が、イラストにお話をつけたもの・・と言うのがありました。
そのお話に通じる、鳥一族の激減の理由が語られていきます。

お話としては、そうなってしまうのだとしても。
その経緯が、あまりにもあんまりなので。
読んでいて辛くなってしまいました。


鳥一族のお話と。まじない師との対決!!に興味や関心が行ってしまう為。
3回はそういうシーン(大笑)があったにもかかわらず。
本当に、甘甘・ラブラブ~で艶っぽい話じゃないですね・・

こう書くと、じゃあ面白くなかったのか?と受け取られると困るのです・・・

そう!面白かったんですよ!!

異種民族である鳥の一族。
空を駆ける彼らの目線になって、ハラハラドキドキします。

王女様や、許嫁的存在の女性、まじない師などなど・・・女性の割合が高かったですが。
それすら気にならないのです。むしろ、必要な存在なんですよ!!女性陣が!
(真珠の為に、あれこれ画策しちゃうまじない師・・・君も女だったのね・・と思ってしまいました)

どう考えても、一族の事を思ったら。
卵を産まない行為に意味はないだろう?と言っているユーゴが受けになるはずはないのに。

種族の習性や、あちこちにきちんと積み上げられる王国を取り巻く状況の布石。
チラッと出てきた人物が、意外なところで情報をくれたり。
二段組のボリュームあるお話を一気に読めてしまいます。

最後の最後には、失ったものは戻らないだろうけれど・・・
せめて今だけでも、ユーゴと狼炎に温もりを・・と願ってしまいます。

ラブラブの甘い関係じゃない・・と書きましたが。
現代に置き換えて、例えていうと・・・
共学のフェンシング部の主将と。男子校の剣道部の主将のBL話みたいな感じです。

体育会系の印象もあるからか、読後感は結構さっぱりなのかもしれません。






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最終更新日  2010年11月22日 22時55分06秒
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