Dream & Power

家族が祝日と毎週日曜朝は某病院に通院している。
一応救急指定病院。

いつもは一旦送り届けてから帰宅するなり他の用事を済ませるなりして再度迎えに行くのだが、今日は他に何の用事もなかったし、一旦帰宅でもしようものなら次出かける時に激しい抵抗を見せるちび犬たちのことを考えると帰宅する気にもなれず、借りている図書館の本の貸出期限も迫っていることだし・・・と思い、今日はその貸出本持参でずっと待合室で待機していた。


貸出本に目を落としていたら、よく見かける受付嬢がいつものごとく緊急受入れ電話の受け答えをしている。勿論、ドクターや看護師とやりとりしながら。


「あ、こちらは今、泌尿器科の専門医はいませんが、来ていただければ内科のドクターでよろしければ診させていただくことはできますが」


受付前で読書中の私も、確かにそんな受け答えを聞いた。少なくとも、後述する「あなたを優先的に診ます」などという言葉は一切聞いていない。これは法廷であっても証言できる（笑）。


再度読書に専念していたら20分くらい後、その患者と思しき70代後半or80代？の男性が、その奥方と思しき同年代の女性を伴って現れた。


ここ、いちお救急指定病院。で、今日は休日（時間外）。

ま、うちも毎週通院してるから強くは言えないけど、基本的には急に具合悪くなってor救急車で運ばれてって人が診療受けれるところ。

その人はどうも、他病院で（検査か何かで）受けた導尿で泌尿器に痛みを感じ、今朝その病院へ行ったけど泌尿器科は休日はやってないからとこの病院を紹介されたらしい。いや、ここも「今日は泌尿器科の専門医はいない」って受付嬢が電話ではっきり伝えてるはずだけど。←それ、私も聞いてる。


で、当の受付嬢が「すみませんがドクターが今、緊急で病棟に行ってますので、しばらくかけて（座って）おまちください」って言うと・・・。


オッサン、「いや、○○病院では、こっちに行ったら優先的に診てもらえるって言うてた」とかアホぬかす（笑）。ＴＥＬでのこちらの受け答えを聞いてたけど、優先的に診るなんぞ絶対言うてないぞ。オッサンが嘘言うてるんか○○病院が嘘言うてるんか、オッサンの単なる良いように受け取る悪癖か。


一応救急指定なら院内トリアージってものはあるけど、このオッサン、高齢に似つかず大変元気（に文句ばかり垂れる）。だから当然トリアージ対象外。

で、受付嬢も言ったように肝心の内科ドクターは院内に緊急事態発生（入院患者の容態悪化）で病棟に行ってしまい、外来には内科医不在という事態。


なのにオッサン、「わし、痛すぎて昨夜は一睡も出来ひんかってん。早よ診てや。先生に早よ来るように言うてや｝と勇ましい。「○○病院ではこっちに行ったら優先的に診て貰えるって言うてたのに、○○病院が嘘ついたんか？」とまで・・・。


受付嬢「ですから今、ドクターは病棟で急変あったのでそっちに行ってます。すみませんがかけてお待ちいただけますか」


オッサンは○○病院が嘘ついたってばかり叫んで○○病院に何度も院内公衆電話からＴＥＬしていた。が「話し中ばっかりや」（と奥方と思しき女性に言っていた）。


この繰り返し。


ホンマ笑いましたよ心の中で。

ええトシしたオッサンが聞き分けない子供みたいで。

救急指定ってことは本当に急に具合悪くなった人のためのもの。
うちの家族は毎日の点滴が必要なので、通常の医院が開いていない休日はここにお世話になってるけど、例えば病棟で急変とかあってドクターがそこにかかりきりになるなら、その間の時間くらいは待ちますよ。それが待てないような重篤な患者はここに回すべきじゃないし、私が見た限りそのオッサンは、「一睡も出来なかった」っていうくらいの痛みを感じてるようには到底思えなかったし（何度も受付嬢に詰め寄っては事務所内に入ろうとしていたくらい元気だった）。普通、救急病院に行かなきゃいけないくらいの病状なら、病院着いてもぐったりで歩き回ったりできないでしょうが。なのに病院内とは思えない大声で何度も叫ぶわ「早よ診て～な」「先生まだかいな？」を繰り返すわ。


「おいオッサン、そこまで大声で叫んで事務所内までうろうろ歩き回れるくらい元気なら、明後日以降の通常時間帯に診て貰うようにするか、どうしても今日診てほしいんなら少しくらいじっと座って待ってろや。病棟で異変あってってことは入院中の人が悪くなったってことやで。それって今日明日をも知れないくらいの重篤な患者ってことや。少なくとも受付の人に大声で文句言う元気のあるアンタよりは相当具合悪いってことや。オッサンはええトシして、そんなことも分からんのか？」

って何度も叫びそうになりましたが何とか堪えました（笑）。多分当の受付嬢も同じだったと思います。トシとればとるほど他人の痛みも分かるようになるはず。自分の火急度合より急を要する人がいることくらいは察せなければいけません。ホント、何のためにトシをとっているんだか・・・。同時に、そんな夫の言動を見て窘めることのできぬ妻（多分）。自分の何年先かは分かりませんが、ああはなりたくない・・・の反面教師でした。


って、明日もその病院行きます。ここの受付近くの待合室で座ってたら、想像できないようないろんな出来事に遭遇して、本当にいろんな人生があるもんだと僅か数十分で思い知らされることが多いんです。

明日も一旦帰宅せずそのまま待合室にいようかな。