移りゆく 季節の中で ~ 第2章 無届
本当に衝撃的な朝となってしまいました。職場に着いてからも、考えるのは盗まれた耕運機のことばかりで仕事がまったく手に付きません。しかし、一体誰が?!何で?何のために?!謎は深まるばかりです。盗んで自分で使う??いやいや、あんな特殊な機械を使えるのはごくごく限られた人だけ。自分で農業を営んでいる人か、これから農業を始めようという人だけで一般の人が欲しがる訳がありませんからかなり限られるのではないかと。あとは、盗んで売り飛ばすとかいう人…。いや、それもどうかなと。バイクや車ならともかく、物は耕運機ですよ。しかも中型の中途半端な。小型なら簡単に車に積んで持ち運びも出来ますが、中型となるとちょっとやっかいです。大人2人でも、そのまま持ち上げて軽トラに積み込むことは出来ません。頑丈な板2枚を橋渡しにして耕運機のエンジンをかけて坂を上るようにして荷台に移動させるという方法しかありません。それなら大人一人で出来ますけど。しかし、その日の夜にエンジン音のようなものを聞いた覚えもないし、第一、すぐにエンジンがかかることは稀で、何度もスタートロープを引っ張ってからようやく始動するというのが普通です。そのスタート動作を繰り返しだけでも結構な音がするというのにさらにエンジンをかければもっともっと大きな音がするわけで夜中にそんなことをしたら近所の家にも聞こえるしそこいらの番犬が吠えるよりも目立つはずですから。海外に売り飛ばすような盗みのプロたち?がそんなことをやるはずはないでしょう。でも…あるとしたらその辺しか考えられないんですが。実は、数年前に町内の人の家で車が盗まれたことがあったんです。それは販売したT社系のセールスマンから聞いた話なんですが、何でも家の駐車場に停めておいたRV車を夜中に盗まれたとのことでした。私もたまたまそのセールスを通じてマイカーを購入したのですが同じタイプなので注意してくださいと言われました。でも私のはそのタイプの一つ前のものだったようであまり人気はないみたいです。どうも盗むのにも発注元からの機種指定があるらしくて(笑)。結局はそのRV車も、それからマイダッドのバイクも近所の人のバイクも見つかりませんでした。ということで皆が皆それぞれに新規買い替えとなったようです。喜んだのは車の販売会社とバイク屋だけ?(笑)ひょっとして車の人は高額なので盗難保険に入っていたかもしれませんが、当時のバイクはせいぜい20万円程度だったので安いJAの任意共済だったと思われます。そもそも耕運機は路上で使うわけではないのでナンバープレートがありません。車体番号とかあってもちょっと分かりにくいので自分のものと特定することは無理。ましてや盗んですぐに輸送コンテナとかに放り込まれたら外部からシャットアウトされてしまい、もう後の祭りです。第一、領収書も車体番号の入った保証書も家の中のどこにあるのかさえ分からないし型名すら分かりませんから盗難届の出しようもなく、むしろ警察からは持ち主としての管理責任を問われそうな気がしてそこいら辺がちょっと嫌な感じがして。ということで盗難届は出さないことに決めました。きっと見つからないだろうし過去の被害からして警察に行っても無駄だろうと。但し、新しい耕耘機は買いません。それは今後事業としての発展性が見込めないし私自信も続けていく気がないということ。機械と格納庫を含めれば30万円ほどの先行投資となりますがその見返りは乏しく余程頑張らない限り生活すらままなりません。すでにダッドが他界したときに自分の代で家業は終わりにしようと思いました。むしろダッドに始末しておいて欲しかったんですが、これまでずーっと土を愛し野菜作りに精を出してきた人ですから例え体力が衰え思うように動けなくなったとしても自分から廃業するなどとは言えなかったのでしょう。まあ、成り行き任せになってしまったのは仕方のないことです。実に面倒なんですが、こんなふうにやっていこうと決めました。畑地は今後処分する方向でそれまでの間は自分が雑草処理する…。機材は草刈り機を購入し暇をみながら私が一人で少しずつやっつけていく…。盗難の件は、マイマムが騒ぎ出すと事件になってしまうので絶対に秘密にするようファミリーに伝えておく…。特に最後のマムの件はちょっとアルツちゃんの傾向があるので騒ぐといろんな人まで巻き込んでしまいそうで、そうなるとやっかいなことになるかなと心配で。とにかく黙っているようにと皆に固く口止めをしておいたはずなんですが…しかし?!…。↓↓よろしかったらクリックお願いします…。にほんブログ村