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カテゴリ:癌との付き合い方あれこれ
癌は色々なところにできるし、できた部位によって、苦労の内容もぜんぜん違うようです。
私の場合は口腔癌で、上アゴにできました。珍しいようです。で、手術の結果、上アゴごと歯が半分なくなり、口の中が鼻と通じてしまっています。水を飲むと、鼻から出てきてしまう。義顎(ぎがく=アゴまでくっついた大きな入れ歯)を入れてふさぐのです。 そんな大手術を一年半前にしたのですが、その後、主治医の先生が、転勤しちゃったんですよ。 主治医は3人のチームでしたが、その上の親分の大先生と、主治医のうちのリーダーの先生を含めて2人と、他に、なくなったアゴを補うための義顎を作ってくれた先生まで、4人が新設の別の病院に移ってしまいました。 仕方がないので、っていうわけではありませんが、主治医のうちの残った最後の1人の先生に、診てもらっていました。術後の経過観察ってことです。癌は手術をした後も、病院とのつきあいは一生モノになるようです。再発、っていう場合を否定できません。結構この先生は好きでした。ところが、この頼みの綱の最後の1人の先生が、この3月末で郷里に帰ってしまわれました。 もちろん次の先生に引き継いで行ってくれましたが、生身の体を切った現場にいてくれた先生と違って、親近感が薄いのは否めません。 で、とうとう大先生はじめ4人が移って行かれた病院を訪ねました。転勤の時に、転勤先の説明の紙は頂いていました。 手術をしてもらった病院の超近代的な設備に比べて、新設の病院とは言え、建物は古く狭く、カルテの電子化や検査結果のデジタル画像化も一歩も二歩も古い印象でした。前の病院の方が、ちょっとはお出かけの楽しみがあったのです。大学の付属病院で、今は教授、助教授となった大先生や元主治医が居るのだから、ハイレベルであることは間違いないけれど。でも、外科の超優秀な先生方なわけで、もう切っちゃった後であって、二度と切りたくはないのに。 元主治医はにこやかに迎えてくれました。ハイ、お陰さまでこんなに元気で生きて暮らしています、っていうことを報告できて、良かった。でも、先日の久しぶりの第1回目の診察は、にこやかながら短時間で終了。異常ないですね、前の病院から検査結果をもらってきてください、とのこと。外科の先生は忙しいのです。 今日は、第2回目でこの元主治医の診察を受けました。今日は前回ほど忙しくなかったのか、色々話ができました。で、なんと、義顎を直してもらえることになりました。 今使っている義顎は、手術した病院で、退院間際に作ったものですが、ぴったりはしていません。前述のようにそれを作ってくれた先生もこの病院に移っているのですが、なんと、そのさらに先輩の先生がこの病院におられるとのこと。さっそく手続きをして、歯科にまわりました。 この先輩先生という方は、上手でした。私は上アゴ半分切除をしているので、口がろくに開きません。実は、開口訓練をしている時にアゴの骨が折れてしまったのです。と書くとぼろぼろみたいですが。一応人の顔の体裁は保っていますよ。以前にも義顎を直した方がいい、という話はあったのですが、口が開かないために型取りができず、そのままになっていたのです。今日の歯科の先生は、私の口をこじあけてひどく苦痛に感じる手前のぎりぎりのところで、素早く上手に型取りをしてくれました。 義顎が直れば、ふにゃふにゃにしか聞こえないサ行やハ行やタ行の発音が、もっとマシになるかもしれません。隙間からごはんつぶが鼻の方に入ることもなくなるだろうし。 元主治医達が移動してしまったことについては、こまっちゃうのよねえ、と、内心思っていましたが、先生方が移動されるのには、その方が良いという理由が当然あるのでしょう。先生が移動して新しい環境で勉強されて、治療内容がレベルアップすれば、患者の私の利益にもなるのだし。今回の歯科の先生とのめぐり合わせのように、新しい環境で得られる患者の利益もあると分かりました。 前の病院では、免疫治療などはてんで眼中にない、という感じでしたが、再発したくない身にとっては、切ることよりも予防することの方が大事です。新しい環境で先生が勉強して下さるように、徐々に攻めてみようと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.04.18 00:16:43
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