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テーマ:ガンの後の日常(82)
カテゴリ:後遺症、食べることなど
実は私は、スパゲッティが大好きなのです。
でも、手術以来、食べられなくなっていました。飲み込めないのです。 手術後は飲み込む力が弱く、最初は家でもおかゆでした。パラパラとしてまとまりのないものはのどを通っていきませんでした。だんだんと普通のごはんが食べられるようになりました。レタスも、刻んだキャベツも全然だめだったけれど、1年以上たったくらいから食べられるようになってきました。麺類は難関でした。細長い麺の、途中までがのどの奥に入りそうになったまま、飲み込めずに、むせてどうしようもない、という状態になるのです。でも、1年半くらいたったら、うどんやラーメンなど、柔らかい麺はのどを通るようになりました。幸せだと思いました。でも、スパゲッティは、どうしてもダメだったのです。 おいしいアルデンテのスパゲッティ。固めなので噛めないし、家で食べようとして、はさみで短く切って食べようとしたこともありましたが、のどを通っていかない。ひっかかって、むせて、不如意な思いをすると、ただ食べるというそれだけのことなのに、何で日に何度も、アグアグ、ウグウグ、と、苦しい思いをしなければならないんだろう、不条理だ!、と思ったものでした。行きつけだったおいしいスパゲッティ屋さんの特性ソースも、もう私の人生の中では味わうことができないのだろうか、と、悲しくなりそうでした。 それが、ちょっと前、家で作ってみたスパゲッティが、食べられたのです。 もともと、スパゲッティは私の得意料理でした。麺をゆでる時の塩加減をちゃんとすれば、オリーブオイルでにんにくをいためて、好みの具を用いれば色々なバリエーションでおいしく作れます。手間をかけたくない日曜日のお昼の定番だったのです。最近作らないから、台所に、オリーブオイルがず~っと残ったままだったのです。で、ちょっと長めにゆでれば、と思って作ってみたら、けっこう、食べられたのです。 それで、先日三田病院に行った日のお昼に、いつもはサンドイッチを紅茶で流し込むのですが、スパゲッティを注文してみたのです。これが、食べられたのです!!! フォークでまとめて、噛む力は弱いので、スパゲッティのしっぽがぶらさがりがちになりますが、何とか口に入れて、噛んで、飲み込みました。よく噛めているわけではないけれど、確かにのどを通って動いていくのが分りました。暫く前までは全然動かなかったのに。万歳! さらに、昨日はちょっとお出かけしたのですが、昨日のお昼も外でスパゲッティを注文しました。今度も食べられました。まとめたスパゲッティを口に入れて、だんだん慣れてきたのか、噛み方が大胆になりました。いつも、手術していない左側だけで噛んでいたのですが、手術した右側の前の方の入れ歯も使ってゴリゴリと、噛み切るようにしました。口の右側を使うと、感覚が麻痺しているので、口の中で食べ物がどこに行ったのか行方不明になるのです。でも、昨日は右側も使っていました。 また、スパゲッティが食べられる。私の人生にスパゲッティが戻ってきた! 手術から2年ぶり、いや、入院から数えれば2年半ぶり。 近所に、おいしいスパゲッティ屋さんがあるのです。唐辛子が効いたオリーブオイルの特性ソースをかけると、生命力が湧き上がってくる感じがして大好きなんです。もう行けないと思っていたあのお店、今度行きます! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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