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テーマ:ガンの後の日常(82)
カテゴリ:癌との付き合い方あれこれ
昨日、術後2年のお誕生日をしたのですが、ということは、今の私はあの時に生まれたのかもしれません。あの時の病室は、今の私にとっての新生児室だったと言えるかもしれません。
がんを経験して、多かれ少なかれ生き方が変わった、という方が多いようです。他の大病や大怪我でもそうなのかもしれませんが。 手術で取って元の通りの生活に逆戻り、という方もあるのでしょうが、私の回りでお話する癌経験者はみな、多かれ少なかれ、何かの変化を経験しているようです。 特に変わっていない、という方も、昔と同じ暮らし方というわけではなく、以前よりも体をいたわる暮らし方になったり、仕事の量を減らしたり、内容が変わったり、しているのではないでしょうか。 がんの手術をした後も同じように大酒のみの暮らしをしていたが、再発し、再発後には生活を全面的に見直して禁酒、玄米食、般若心経を読むなど、その他私には分りませんが大転換をして、再発がんの手術はせずに既に7年(8年?)も元気に過ごしておられる方もあります。(患者会の『蕗のとう』のMさん。)Mさんは新生してから7歳(8歳?)でしょうか。でも最初の手術後の期間も、きっと新しく生まれるための準備期間だったのでしょう。 いくつもの転移がんをかかえているけれど、ミャンマーのお坊さんのセアロに出会って、「『あ、適当でいいんだぁ』と分ってから、楽しむことができるようになった。それからがんの成長が止まった。」と仰る方にも会いました。あの方はセアロに会ってから生まれたのかな。でも、その前の、がんに出会った時から変わるきっかけが始まっていたのかもしれません。 私は、まだ、新しいこんな自分が生まれている、とまでは、思えません。だけど、新生児って、眠ってばっかりじゃありませんか。生まれて、動き出すまでの準備の時間は、誰にでも必要なのではないでしょうか。 赤ちゃんが生まれる時、お母さんの子宮から出てくるのは大変だと思います。苦しい思いをして狭い出口から出て、生まれて初めての息をして、生まれて初めての大気にさらされなければなりません。その大変さから癒されて動きだすためのエネルギーを蓄えるには、一日の大半を眠って過ごすことが必用なのでしょう。 がんの手術も大変です。癒されて動き出せるようになるまで、動き方を学べるようになるまで、エネルギーを蓄えればよいのではないでしょうか。 私に色々なことを教えてくれるサイモントン療法のカウンセリングや、セアロの満月冥想は、新しく生まれた私にとっての幼稚園なのかも。 今、がんの病室にいる方、そこは新生児室です、良い幼稚園を探して下さいね、と言っては、失礼になってしまう立派な人生経験を積まれた方ばかりだと思いますが、せっかくの大変な経験ですから、まずはゆっくりと休み、それから何か自分にとって新しいものをみつけて下さいね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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