カテゴリ:競泳水着ルールまとめ
競泳水着のルールは、明確な基準の記載がなされていなかったため、ここ2年余りは水着の歴史上、かつてないほど激動だったと言われています。
今回はこの激動だった歴史を整理しておきたいので、簡潔になるようまとめておこうと思います。 まず、発端となったのは、トップブランドであるSPEEDO(スピード)が2007年に発表した「FASTSKIN FS-PRO」です。これを着用する選手が21の世界新記録を樹立したことで大きな話題となりました。 さらに拍車をかけるよう2008年1月に発表したのが世界初の完全無縫製水着「レーザー・レーサー」の登場です。 かなり強力な着圧で身体の凸凹を流線形に引き締め、スイマーにかかる抵抗を減らした構造ですが、これがいわゆる「高速水着」の幕開けとなったわけです。 この年の北京オリンピックでは、金メダリストの94%以上が着用。ほとんどの選手が世界記録を次々と塗り替えたことでメディアにも大々的に取り上げられるようになり、社会現象にもなりました。 その翌年の世界水泳では、ライバル他社も負けじとラバーやポリウレタンを使った高速水着を商品化したことにより、さらなる性能がアップし、世界新43と異常とも言える記録ラッシュとなりました。 この結果、どのメーカーのどの競泳水着を着るかで記録が左右されるといったところまできてしまい、本来重要とされなければならない選手のパフォーマンスが欠落したため、国際水泳連盟(FINA)はストップをかけます。 泳ぎを助けるような水着を禁止するルールを設けるため、2009年に承認基準を見直しをすることになります。 結果、FINA主催の大会では2010年1月~、日水連主催の大会は2010年4月~、日本国内のマスターズ大会は2010年7月15日~、水を通さず浮力が生じるラバーやポリウレタンは使用禁止に(国際水泳連盟&日本水泳連盟の競泳水着情報はこちら)。 形状についても変更。メンズでは覆っていいのがヘソ下から膝上まで、ウィメンズで肩から膝上までとなり、フルスーツ(ロングスーツ)は男女ともに姿を消していきます。 また、ジッパー付きの水着も使えなくなります。 規定については以下を参照。。。(ルール改正の歴史の詳細はこちら) 【水着に関する新規則の決定事項概要】 (1)形状:男子はへそを超えず、膝と膝下を覆わないパンツ。 (2)女子は肩を超えた部分、首、膝下を覆わないスーツ。 (3)素材は織物と編み物に限る。厚みは最大0.8mm。 (4)重ね着、テーピングは禁止、着用できる水着は一枚のみ。 (5)テストは必ず科学者チームにより、科学的方法で行われる。 (6)認可テストの後、使用前の修正・変更の禁止。 (7)浮力は0.5ニュートン(50gの浮力相当)以下。 以上のような流れだと思いますが、この水着問題が起こったことで、昔から言われていた浮力のある水着は、大幅に記録が向上するということが証明された形になり、より理解ができました。(・ω・) また、有名な競泳水着大手メーカー以外にも注目を浴びたメーカーが登場してきたことで、今後の水着開発競争が楽しみです。こういった競争は良いことではないでしょうか。 新しいルールを設けたことで、競泳水着はより高度な技術を求められることになりますが、それでも可能性は無限大にあると製造の専門の方はおっしゃっています。 何より選手のパフォーマンスが一番であり、一般スイマーにまで混乱を生じるようなことは今回の教訓を生かし起こらないことを望みたいですよね。(b'∀'*) ところで、現在、どの競泳水着がOKでNGかはもうお分かりですか? 当ブログでも「国内・国際公式大会で着用可能な競泳水着のまとめ」でご紹介していますのでご参考になればと思います。 また競泳水着を専門に取り扱っているショップは、水着ごとに詳細な説明がなされていたりしますので、分かりやすいと思いますよ。(o^―^o)/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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