4年目 その2
トラックの運転手の仕事は、本当にきつかった。最初の半年は4トン車だったが、荷台の箱の中で吐きそうになったこともあったし、風邪で発熱してもいつ家に帰れるかわからない。親知らずが生えてきて痛さで眠れない時もあった。その後10トン車に乗り、3年が過ぎた頃、そろそろ将来のことを考えてバスの運転手になろうかと思った。自分のなかではトラックの運転は遊びのようなものだったが、きつい仕事なので1年目は「新人」2年目は「中堅」3年目は「ベテラン」となっていた。小さい営業所だったが2番目に古い運転手にまでなっていたので、会社を辞めるタイミングを考え出したのだが、新車が入ってくるという噂が出た。そしてその新車は自分が担当するということだった。新車に乗ると今まで以上に稼動しなければならないようなプレッシャーがあった、新車に乗ってすぐに会社を辞めるのはカッコ悪いと思ったので、そこから意地の4年目が始まった。