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毒多ぁ亀山の小児科日誌

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2007年05月26日
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カテゴリ:気管支喘息
「喘息じゃないって言われました」
「喘息の薬が効くんでしょう」
「メプチン吸入もホクナリンテープも効きます」
「喘息の薬が効いたら喘息でしょ?」
 気管支炎(感染症)と気管支喘息(アレルギー)は違う病気です。
 気管支炎(や肺炎)は病原体が繁殖しておりますが、だんだん咳と熱が出て、だんだん良くなります。風邪なら1週間、気管支炎なら1~2週間、肺炎なら2~3週間で良くなります。
 喘息はアレルギーです。蕁麻疹と同じような反応が気管支に起きると、気管支が狭くなって苦しくなります。詰まって苦しい咳を「咳喘息」と言います。気管支炎や肺炎は、病原体と痰はゴロゴロしておりますが、気管支は狭くないので、軽やかな咳です。苦しくはありません。
 もう少し気管支が狭くなって狭窄音がゼーゼー・ヒューヒュー聞こえてくると「喘息」と呼びます。喘息は病名ではありません、気管支が狭くなった状態名ですので、ゼーゼーしていないときに「喘息ですか?」と聞かれても診断できません。蕁麻疹が出ていないときに「蕁麻疹ですか?」と聞かれてもわからないのと同じです。
 もっと狭く痙攣を起こして窒息状態になると「喘息発作」と呼びます。ゼーゼーすら聞こえないので危険です。
 気管支が少し緊張する(セキ喘息:苦しい咳)か、キュッと締まる(喘息:ゼーゼー)か、ギューッと締まる(喘息発作:窒息状態)かは、蕁麻疹が5個出るか10個出るか100個出るかの違いのようなものです。
 喘息の簡単な診断は、治療診断です。喘息の薬を使って効いたら喘息です。
 まともな医師は、喘息を疑ったら、気管支拡張剤(メプチンなど)を吸入し、前後で呼吸音を比較して(あるいは経皮的動脈血酸素飽和度SaO2を測定して)、呼気と吸気のどちらに音が入るか、右と左のどちらか、喘鳴かラ音か、乾性ラ音か湿性ラ音か、などの所見を説明して、治療方針を立てます。
 ホクナリンテープを処方されたら、(説明がなくても)喘息を疑いましょう。効いたら決定です。





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最終更新日  2007年06月12日 22時27分12秒
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