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カテゴリ:マイコプラズマ
「マイコプラズマ気管支炎って言われてます」
「喘鳴とラ音がありますね」 「クラリスが全然効きません」 「ジスロマックに変更します」 「5日経ったらまた悪化しました」 「タッピング吸引します」 4月初めから鼻汁・咳嗽・喘鳴があり、4月中旬にマイコプラズマIgM抗体(+)で「マイコプラズマ気管支炎」と言われているが、クラリスを内服しても呼吸困難が良くならないと受診した9ヵ月の女の子。 抗生剤をジスロマックに変更し、痰を詰まらせているペリアクチンを中止し、喘息の原因のカロナールを中止し、せっせと吸入をしたら、呼吸困難と顔色不良は良くなりましたが、5日くらいでジスロマックの薬効が切れてくるとまた症状が悪化してきます。 2週間経っても喘鳴・ラ音が治まらないので「背中を叩いて痰を吸引させてください」とお願いしてタッピングと吸引(Postural drainage)をしたら、1回だけですっかり良くなりました。 痰は病原体と白血球がケンカした死骸で病原体のカタマリです。気管支に溜まっている病原体を抗生剤で殺すのは話が遠いです。病原体のカタマリごと取ってしまうのが効果的です。 NICUでレスピレーターをつけている未熟児新生児の呼吸管理に欠かせないのが "Postural drainage" です。時間ごとに体位を変えて(右向けたり、左向けたり、うつ伏せにしたり)背中を叩いて、吸引チューブで痰を引きます。 今回は、外来で、左向けて叩いて吸引、右向けて叩いて吸引、うつ伏せで叩いて吸引・・・1回ですっかり良くなってしまいました。めでたしめでたし。 マイコプラズマには薬は効きにくいからね、最後は自力だね。恐い恐い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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