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カテゴリ:季節・自然・飛騨・風土・風習
☆飲酒で血圧下がりました☆
「酒で救急車呼んだんや」 「急性のアルコール中毒?」 「血圧が下がりすぎたんや!」 「血管拡張剤ですからね」 「薬やめたんや」 17年前から降圧剤を内服している84才の男性。5年前から高山に転居して以来、亀クリで、ノルバスク2.5mg/日を継続しておりましたが、昨年2月と今月8/6に、飲酒後、血圧低下し、78/46mmHg、救急搬送されたようです。 内科医から、降圧剤中止と言われ、中止したところ、再上昇したので、162/90mmHgP92、171/89mmHgP84、相談に来ました。 酒は「百薬の長」というように、アルコールは薬物です。食べ物ではありませんので、医師の処方箋や、周囲の忠告によって、量を加減する必要があります。 酒には「麻酔剤」「消毒剤」「血管拡張剤」などの働きがあります。 1.麻酔剤 かなり昔(エーテルが導入される以前)には医療の現場でアルコールが麻酔薬として使用されておりました。上位中枢(理性)をマヒさせますので、ふだん言えないことまで話すことができます。適量では活発な対話が生まれますが、適量を越えるとその人の感情(本性、本能)がむき出しになりますので注意が必要です。 2.消毒剤 病院で採血するときに吹くのが酒精(アルコール)綿です。蛋白質を凝固(変性)させて殺菌消毒します。消毒薬を毎日飲んで胃や肝臓を消毒していれば当然内臓は(膵臓も)ボロボロです。胃炎や胃潰瘍は当然ですし、2合10年とか3合8年とか言われておりますように、毎日2合以上飲んでいれば10年くらいで肝臓はアルコール性肝炎から肝硬変に進んでしまいます(膵炎はもっと恐い)。 1日2合以内に抑えるか、休肝日を設けるようにすれば防ぐことができます。 3.血糖上昇作用 アルコールには血糖を上げる作用がありますので飲酒は「糖尿病を悪化」させます。細胞内へのブドウ糖の取り込みを抑制して血糖が上昇し、インシュリンも過分泌の状態になります。 したがって、酒が切れると低血糖になってまた酒が欲しく(アル中)なります。 4. アルコールは血管運動中枢を抑制して血管を拡げます。一時的には体が温まりますが拡張した血管からどんどん熱が失われて低体温になりますので、寒いところで寝込むと凍死してしまします。 5.利尿剤 お酒を飲むとトイレが近くなります。アルコールは下垂体後葉に働いてADH(抗利尿ホルモン)の分泌を抑制し尿量を増やします。 6.催奇形性 妊婦が(毎日3~3合以上)飲酒すると「胎児アルコール症候群」(精神発達遅滞、小頭、心奇形)の可能性が出てきます。 7.相乗作用 精神安定剤(ベンゾジアゼピン系)や抗潰瘍剤(H1受容体拮抗剤)などを併用すると効果が増強しますので、注意が必要です。 今回は血管拡張剤(降圧剤+飲酒)のダブルパンチでしたので、血圧を測って、高ければノルバスク内服、低い時と酒を呑むときは休薬としました。 飛騨の飲酒量は、ハンパありません。全く飲めません:2合。少ししか飲めません:5合。酒が好き:1升。いつも問診で騙されます。 体調に関係なく、ぶっ倒れても呑む飛騨の飲酒文化「呑めば治る」恐い恐い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年09月11日 09時29分19秒
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