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美容外科医日記

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2007.06.02
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カテゴリ:美容外科医日記
今日は午後から雑誌の取材がありました。僕の専門は、目の周囲と毛髪です。特に、まつげに関しては誰が呼んだか、「まつげ博士」の異名もあるほどに専門です。今回の取材内容は、まつげに自分の頭髪を植毛する、まつげの自毛植毛に関してです。
今や日本では、まつげは女性が最も関心をよせるパーツのひとつになりました(実は女性だけではありませんが)。まつげの施術にも様々な方法がありますが、クリニックで行っている特殊な方法に、まつげの自毛植毛があります。これは、手術的な方法で、自分の頭髪を眼瞼に移植して、髪の毛をまつげにしてしまおうという画期的なものです。僕は、今日本ではこの手術を一番多く行っています(世界でも多い方かもしれませんが、世界中の状況は判断できません)。この手術の概略を説明しますと、まず、後頭部からメスで頭皮を切除することにより髪の毛を採取します。切開された部分は、長さにして3~4cmほどですが、ナイロンの糸で丁寧に縫合します。この糸は10日前後で抜糸します。もちろん、切除して縫合していますので、傷跡は残りますが、一直線のきれいな傷ですし、髪の毛に隠れてしまいますので、問題となることはほとんどありません。ちなみに、こうした傷跡を形成・美容外科医は、Scar(スカー)と呼んでいます。Scarをどれほど目立たなくできるかも専門医の技術なのです。ただし、このScarは、消えることはありませんので、僕は最近ではScarをほとんど残さない方法も工夫しています。
次に、採取した毛髪を細かく分ける作業に入ります。この作業を株分けと呼び、得られた毛を株と呼んでいます。株は、生理的に1本~3本の毛からできていますが、まつげの植毛で使用するのは、主に1本毛です。実は、自まつげも専門的に観察するとほぼ全てが1本毛なので、株でも1本毛を用いるのがより自然です。最後に、この株を眼瞼に移植します。この時、植毛用の特殊な針を用いています。僕は、通常だいたい片側に50本~60本植毛しますので、眼瞼の幅が35mmとすると、1mmに1~2本植毛していることになります。植毛された毛は、生着すれば一生もので、抜けてもまた生えてきますが、その生着率は50~80%程度です。この手術の一番難しい点は、このようにすごく細かな作業だということですが、実は、手術後の継続的ケアが必要なこともとても重要な点です。つまり、植毛した毛は自然なまつげのように程よくカールしていませんので、生着後に自分でカールさせる必要があります。カールさせる手段としては、マスカラ、ビューラー、まつげパーマなどです。
僕が医者になる前には、こうした取材を専門家として受けることになるなんて思ってもみませんでした。





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Last updated  2007.06.02 19:39:09
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