お台場のレインボーブリッジが、僕はとても好きです。特に夜の風景が好きです。あそこを車で通ると一瞬イヤナことも忘れさせてくれます。今日もさっき通り抜けてきましたが、気分がスウっとしました。でも、運転中ですので、あまりよそ見もできないし、まして高速なのであまりゆっくりも走れません。ですから、ほんとうに一瞬なのですが、その一瞬の満足感はなにものにも変えられないほどです。しかし、なぜだか、またいつから、そう感じるようになったのかはっきりしません。何か、僕にそう感じさせる原因があったはずなのですが、今のところ、その理由は僕にははっきりとはわかりません。
ただ、ひとつだけ理解していることがあります。それは、都内から千葉の方に向かって走っていると、レインボーブリッジの手前がいつもだいたい混んでいて、ちょうどレインボーブリッジがその美しい姿を見せるあたりから、車が徐々に加速され始めます。そして、レインボーブリッジにさしかかると、ほんの一瞬で渡り切ってしまうのです。しかも僕が一番見てみたい橋からの海の眺めは、いつもほんの一部しか見ることができないのです。でも、確かに、その一部は僕にとって何よりも美しく思えるのです。それは、ほんとうなのか僕の憧れなのかわかりませんが、今の僕にとって、常に胸ときめく場所であることには間違いありません。
もしかしたら、やっとたどり着いたと思い込んでいる美しい場所は、その一部は僕自身の心であって、そこにたどり着くこと自体にも価値があると知らずに思っているのかも知れません。だからこそ、どんなに大変な仕事をした後でも、レインボーブリッジだけは、その絶対的な美しさを失わないでいてくれるのでしょう。