確かYちゃんとは、まつげの植毛手術を3年くらい前にしてからの付き合いだと思います。年齢も20歳そこそこで、何もしなくても十分にかわいいのですが、異様に目もとにこだわっています。まあ、だからこそ、「僕の患者さん」なのですが。というのも僕の専門は、目の周囲と毛髪です。そして、目の周囲のエイジングゾーンをMWzone(ミューゾーン)と定義しています。そんなことを知ってか知らずか、Yちゃんのように僕のクリニックでまつげの植毛をする患者さんは多いのですが、Yちゃんはそれだけでなく、僕のクリニックで他の様々な施術を受けています。
僕が覚えている限り、Yちゃんは、まつげの植毛を筆頭に、二重手術、アイラインのアートメイク、まつげパーマ、ヒアルロン酸注入、ボトックス注射をしています。しかもすべて目の周囲(いわゆるMWゾーン)です。目の周囲を専門にしている僕にとっては、こうした患者さんはうれしい限りなのですが、ここまでこだわる必要があるのかどうか、冷静に考えるとわからなくなりそうになります。おそらくYちゃんは、目の周囲に関しては、今美容外科でできるほとんどの施術を受けていると思えます。それが今のところ、Yちゃんにとっては、満足のできるものであるから、まだ僕のクリニックに通っているのか、もっと満足を得たいがために僕のクリニックに通っているのかは、僕にはわかりません。ただ、おそらく、Yちゃんに限らず、美容外科に通って色々なことをしている患者さんにとって、色々な施術を受ける理由に自己満足の要素もあるのではないのかと思うのです。
たぶん、Yちゃんは、もう少し僕のクリニックに通い、僕との付き合いを続けるのでしょう。僕は目もとの専門家として、よりよい施術を提供するよう努めなければなりません。また、一人のただのオジサンとして、自己満足にも限りがあることも教えてやらなければなりません。