If your pictures aren't good enough・・・
昨日のコラムの続き。後半の今日は、自分の撮る写真について ―嫌々ながら― 言及する。 はははっ 報道写真の世界に燦然と輝く巨匠・Robert Capaは、「If your pictures aren't good enough, you aren't close enough.」 と言った。 写真を撮る時、この一行ばかりの短い言葉を、いつも忘れず座の右に置くよう心掛けている。 Capaは戦場で名を上げたカメラマンだから、上記のような考え方は、他の数多い同業者より少しでも抜きん出て注目を集めるために、体験的に心得た写真術だったのであろう。 この中には、報道という写真ジャンルの核心が、余すところ無く詰め込まれているように思う。 一方、ワタシも含めて市井の大多数の写真好き・カメラ好きは、極限状態の中で世界中から集まった功名の野望を抱く連中と一番槍を競うワケではないから、この座右の銘は少々大袈裟に思われる向きもいらっしゃろうが、“写真を撮る” という事自体、ともすればどこか後ろめたい気持ちにもなりかねない行為なので、Capaの言葉を戒めとして持ち歩いているのである。 これは、言うは易いが行なうに難い事である。家に帰り現像を終えたフィルムを見てガッカリする瞬間、いつもそれを切実に感じる。 撮っている時は充分に寄っているつもりでも、仕上がりではどこか腰の引けた感じを拭えないからだ。 望遠に逃げず、標準から広角で充分な迫力を出すために最も必要で重要な条件は、やはり “胆力” なのであろうなぁ~ 嗚呼、我に胆力を!