ストリート
ボクは鹿児島にすんでいる。鹿児島にもストリートミュージシャンがいる。もちろんボクもストリート出身だ。東京で1年。京都で4年。仙台で3年歌った。鹿児島に来ても歌ったけど、すぐに警察が来るのでやめた。ストリートで歌うことは厳しい条件だ!だから歌う場所がセッティングされているところで歌ってるやつとは気合がちがう!ストリートから箱で歌うようになったらおしまいだ!的なことを言ってるストリートミュージシャンの話を聞いた。ボクは夜の街を歩く時、やっぱりストリートミュージシャンの歌を聞く。あんまりいいのはない。理由はいくつかある。曲を最後まで歌わない。街に向って歌ってない。歌詞は聞いたことのある言葉ばかり。ギターのチューニングが狂ってても気にしない。歌ってない時の方が多い気がする。部屋で歌えといいたい。自分の中で帰結するならそれでいいけどしっかりと帰結させてほしい。自分の突き詰めるわけでもなく、街に歌いかけるわけでもない。だから何も伝わってこない。今のストリートでは人は立ち止まらない。理由は聞きたくないからだ。箱はちがう。聞かせなければならない。しっかりと。歌に託したものがちゃんと届くように。ストリートはたぶん一番ぬるい世界だ。少なくとも鹿児島ではそうだと思う。素通りしていく人の中で、評価もされず求めず自分達がいる世界が一番なんだと言わないで欲しい。そいつの歌を聞いたけど、サイテーだった。まったくもって。ボクはストリートに立ってた自分が好きだ。そこでたくさんのことを学んだし、いろんな自分と向き合えた。ストリートは本当は過酷だ。それは独りぼっちを自覚しつつ、それでも何かを叫ぶからだ。それがない奴にストリートミュージシャンしてますなんて言わないで欲しい。頼むよホンマ。