<中越沖地震>柏崎刈羽原発の被害は1263件
東京電力は1日、新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発(柏崎市、刈羽村)の被害が、7月26日までの確認分だけで1263件に達したと発表した。放射能漏れにつながりかねないなど影響の大きい被害は従来発表していた68件に含まれ、新たに重大な被害は見つかっていないというが、想定外の揺れの影響の大きさが改めて浮き彫りになった。
機器の異常や作業上の問題などの「不適合」として、先月に発電所内の委員会に報告された1527件のうち、地震関連の被害を集計した。最も多いのは建物のひびなどで約370件。▽機械の破損や変形約290件▽水漏れ約270件▽油漏れ約60件――が続いた。
同原発1、4、5号機では、原子炉の本体がある原子炉建屋の壁や床、階段に亀裂や破損が見つかった。タービン建屋など他の建物にも亀裂などがあった。6、7号機共用の中央制御室では、天井の化粧板や照明が落下していた。東電によると、原子炉建屋などは建築士の資格を持つ東電社員が調べ、放射能の封じ込めを含め機能に支障はないと判定したという。
一方で東電はこの日、6号機の地下通路に約3トンの水たまりを見つけたと発表した。放射能は含んでいない。地震で通路の継ぎ目にすき間ができ雨水が入ったらしい。また作業員1人が地震当日に左手首をねんざしていたことが分かり、地震によるけが人は計11人となった