抜本的な税制改正を
日本自動車輸入組合(JAIA)のハンス・テンペル理事長、 「日本の自動車市場は、昨年前半から景気減速の影響がじわじわと効いてき たところに、4月の暫定税率の混乱による一時的な減税が、消費者に自動車 に係る税負担の重さを改めて実感させた。 自動車にかかる税負担は、複雑で過重であり、また欧米諸国比較しても相対 的に高く、このような税負担を自動車ユーザーに強いているのは日本のみ。 昨年末に発表された自民党の「税制改正要綱」で、低炭素化、環境保護に向 けた自動車税制の方向性が示されて、一定の進捗がみられ、これは大いに歓 迎すべきであるが、残念ながらまだまだ私どもの考える本来の目標とは大き な隔たりがある。 低炭素化に向けた税制の考え方は、欧米でも既に実施に向けて動き出してい る国もあり、世界的な流れと考える。本来の目標である抜本的な税制改正に 向けて、「軽減および簡素化」の実現を目指して活動を行う。 ディーラーのサービス工場設置、移転の大きな障害となっている「用途地域 規制の見直し」についてもロビー活動を行う。輸入車業界には、ディーラー を含めると25000人以上が従事し、ディーラーがビジネスを展開し易い環境 を作ることが、地域の活性化につながり、また雇用を守る事にもなり、顧客 へのサービス向上のために大切なことだと考える。 急激な燃料高騰、世界的な経済危機と相まって、昨年の登録車販売は、第1 次オイルショック直後の1974年以来、34年振りの低水準にまで落ち込んだ。 これは、大変深刻な結果だ。この10年間、年販26~27万台を維持してきた 輸入車業界にとっても、昨年はたいへん厳しいビジネス環境になった。 日本経済は、当面この厳しい環境が続き、雇用不安や所得環境の悪化による 個人消費伸び悩み等のマイナス要因により、需要が冷え込むとともに、自動 車販売においては、少子高齢化、若年層のクルマ離れの影響も大きく、今後 も厳しい状況が続くものと思われる。 日本を含めた世界の主要国政府は、大規模な緊急経済対策を打ち出しており、 それらの効果が必ず表れてくるものと期待する。寒い冬があればこそ、春が より暖かく感じられるものだと考える。このような危機をむしろ変革のチャ ンスと捉え、革新的な新しい技術を積極的に開発、導入する事により、市場 回復に取組み、さらには日本経済の回復に寄与したいと考えている」http://www.jaia-jp.org/j/about/report090122.html