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2006年11月20日
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カテゴリ:1ヶ月の育児
◆先月 入院9日目◆

 10月20日、コウタが産まれた日

この日、午後看護士さんが血圧を測りに来てくれたところ180台!!
院長先生が来て、再び量ると、190台!!

看:「先生が来て、よけいに緊張しちゃったかなぁ?」
私:「はははっ、そうかもしれません…(苦笑)」
看:「深呼吸して、もう一度測るね」
私:「……」
看:「先生、200いっています」
私:「えっ? 200???」

それは今まで私も聞いたことのない血圧の高さでした失敗
それを聞いて院長先生は少し考えていたようですが、

院長:「母子共に今の血圧では危険なので、1時間後の3時に緊急帝王切開をしましょう。」

私:「えっ??!!! 帝王切開ですか?????そんな…(来週、陣痛待つんじゃなかったの…)心の準備ができていないです……」

院長:「大丈夫、大丈夫。このままにしておくと最悪、赤ちゃんが死んじゃうこともあるし、
   ニュースで流れていたようなことになることだってあるんだよ。」


私:「そうですよね…」


院長:「今から、J大学の先生に電話をしてこっちに来てもらうから赤ちゃんは、
多分このままJ大学に搬送されることになるよ。安心して。」


ahiru_li_14.gif


このとき、ちょうどニュースで出産しいる途中に意識を失い
受け入れてもらえる病院がなくたらい回しにされ亡くなってしまった。
という女性のニュースが放送されていました。

私と年も近いし、こんなかわいい赤ちゃんを抱っこもおっぱいもあげることが
できないで天国に逝ってしまったお母さんの無念さを思うと涙が止まりませんでした。

だからもう、あれこれ考えている余裕はありませんでした。
夫に携帯をかけるとすぐにつながりました。タイミングよく、手に携帯を持って眺めていたところだったそうです。

「一時間後に、帝王切開することになった。」

「えっ?!」
「だから、病院に来て。」
「うん、わかった。」


もう、なすがままになれ、という感じでしたほえー
連絡がついたところで、手術着に着替え、普通の出産と同じような手順を踏んだあと
(この手順を踏みながら、手術の手順の説明を受けました)
導入麻酔薬みたいな注射をうたれました。



手術台にのぼり、手術着をぬいでおなかをかかえて丸まった姿勢をとらされ
(おなかが大きかったのでつらかった…)
背中に何本か注射が打たれたあと、一番大きなのが刺された気がしました。
(もうこのときは下半身は麻酔で半分麻痺した状態でした)

「はい、ここに足のっけて」
「はぁ…」
「麻酔効き始めて、思うように動かないかな… よいしょっと」
「バルーン(?もう意識が朦朧としながら、帝王切開でも使うの?なんて考えていた)
 を入れて…」
「赤ちゃん、産まれたらちゃんと見てあげてくださいね」

「はぁ…」
「あっ、パパは?」
「外で待っているみたいよ。」

看護士さんがあれやこれやといろいろ話をしています。

おなかの上に何もかぶされないので、えっ、これだと切っているところ私に丸見えだよ…
と心配していたら、そのうちテントみたいなのが張られほっとしました。
さすがに出産とはいえ、手術シーンは見たくない失敗

ahiru_li_14.gif


定期的に血圧がチェックされ、手術着を着た先生が二人入ってきました。

「200!! こんな血圧見たことないですよ。」


どうやら、もう一人の先生が言っているようです。
(そうなんだ、そんなに200ってすごい血圧なんだ…そうかぁ)

「ここ大丈夫ですか? 痛くないですか?」
「はぃ…(メスでもあてられているんだろうなぁ)」
「じゃあ、ここは?」
「痛いっ!!」

ちょこっと痛みを感じたものの、あとは何も痛みは感じなかったのですが
そのうち、おなかの中をもぞもぞ探られているような感触が伝わりました。

と思ったら、それが赤ちゃんを取り出していた感触だったようです。「ふにゃあ、ふにゃあ」
赤ちゃんのちょっと頼りない産声が聞こえてきました。
もう、産まれたの?

「お母さん、赤ちゃんですよ。」
看護士さんの声がします。
私の目の前に、今までおなかの中にいた赤ちゃんが泣きながら差し出されました。
でも、手術なので抱っことかできません。意識も朦朧としているので、
ぎゅっと目をつぶって、泣いている赤ちゃんを見て
私もにこっとほほえむくらいしかできませんでした。
あぁ、私のおなかのなかに、ちゃんと赤ちゃんがいたんだ…

つづいて、ちょっと乱暴に何かめりめりっとはがされるような感触…
多分胎盤をはがしているのかな…?
赤ちゃん、どうなっちゃうのかな…?
あっ、手術室の奥の方に、もう一人先生がいる…
あの人がJ大学の先生かな…
あっ、赤ちゃんがその先生の所に連れて行かれている…
離ればなれになっちゃう…


ahiru_li_14.gif

IMG_2950.JPG
生まれた直後のコウタです


なんとなく意識があるのは、ここまででした。
「はい、じゃあ麻酔をかけますね。」
赤ちゃんと対面したあと、口から麻酔のガスみたいなの吸い込むって言っていたなぁ

そのあとは、意識の無い世界をさまよっていました。
でも色々考えていたから意識はあるのかな?
死ぬってこんな感じ?なんて考えていました。すごく変な感じ。

目の前が真っ白で、時々ピンクになって、
なんだか人の顔が見えるような…
声もいろいろと聞こえているような…
(これは、多分看護士さんたちの声だったかな)
あぁ、どうなっちゃうんだろう? 
でも、もう産まれちゃったから後戻りできないなぁ。

もう、頭がぐるぐる、ぐるぐるして変な感じでした。


自分の体が浮いた気がして
(手術台から、ストレッチャーに乗せられたと思う)
ふと気がつくと、パパと、義母さんの声がしていました。
目は重たくて開きません。
(う~ん、私生きている…でも体がいうこと聞かないよぉ…)

しばらくすると、目がうっすらと開きました。でもそれまでものすごく長い時間を過ごしていたような気がします。
花柄の壁紙が目に入りました。
今まで入院していた個室ではない手術後専用の部屋に入ったため、壁紙が違っていたのです。
だけど、そんなこと分からないし、意識も混沌としているから、
(えっ、ここはどこ?? 声が聞こえるけれどいつもの病院じゃないの? もしかして順天堂大学病院に私も連れていってもらえたの???)

「ぁー…」
「あっ、気がついた?」
「ぅー…」
「赤ちゃんね、元気に産まれたってよ。がんばったね。」
「ぅーうん。」

ほんとうは、普通に産んで、涙の対面!!となる予定だったのに…
意識が朦朧としていて、感動できなかった…

その後は、のどが異常に乾いてうわごとのように
「みず、みず…」
と言っていました。でも看護士さんに
「ごめんね、水分はまだとれないの。」
と言われがっくり泣き笑い

その日は、パパが泊まっていってくれました。





◆今月 生後31日目◆
そんなこんなで、10月20日の嵐のような日から1ヶ月。
コウタは無事1ヶ月目の誕生日?を迎えました。
赤ちゃんの成長って、きっとあっというまなんだろうなぁ。

コウタは今のところ、比較的手のかからないいい子です。
ときどきぐずったりすることもあるけれど、泣くのは、

おなかがすいた!
ミルク吐きそうで気持ち悪い!
抱っこしてかまって!
(しかも、座って抱っこより立って抱っこのがいいよぉ)
ウンチして気持ち悪い!(熟睡中は気づかず…)

くらいでしょうか。

だいたいパターンも読めてきたので機嫌がいいと、コウタが寝ているときは家事をし、
コウタが起きているときは、抱っこしたり絵本読んだり歌を歌ったり
コウタの変な顔に大笑いしたり、コウタの鼻ぶひぶひ音にニヤッとしたり
私もゆったり過ごすことができます。

表情が豊かなので、目がまん丸にあいているときに相手しているととてもおもしろいです。
親ばかでしょうけれど、笑えるくらいにこっちが話しかける言葉に合う仕草や表情をするんですよね。
赤ちゃんってこんなに表情が豊かなんだなあとびっくりです。

一日、一日、コウタの成長をこれからもしっかりと見ていきたいと思います。





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最終更新日  2009年08月03日 02時37分21秒
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