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韓国 愛の劇場

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アンジョンヨン

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2006.06.15
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大学時代、ナチスドイツに抵抗したドイツの青年たちの手記「白バラ」を手にした。

彼らのような純度の高い生を燃やすことを夢見たものだけど、、、

私の大学入学は、1990年、高校の同級生とは3年遅れの入学だった。

旧ソ連のペレストロイカの波は徐々に民衆を目ざめさせ、東西ドイツの統一に象徴されるように東欧の既存権力は次々に崩壊していった。

ポスト冷戦・脱イデオロギーの時代は、物質主義の拡大とともに新しい民族主義の台頭を感じさせ、湾岸戦争の勃発は、アメリカの一国主義の独走を予感させた。

なすすべもなくレゲークラブで、カモフラージュのパーカーを着て、レゲーのリズムに身をゆだねた。

バブル崩壊寸前の享楽的な雰囲気の中で、「白バラ」の青年たちと向かい合うには、惰弱すぎた。

それでも、向かい合おうとしたものだった。

権力と戦うユゴーやアンドレ・シェニエの詩も読んだ。韓国では、戦中に、軍国主義の日本で独立を求めて、若き命を燃やした韓国の詩人ユン・ドンジュの詩集『空と風と星と詩』(伊吹郷訳)を手にしたものそのころだった。

  「死ぬ日まで空を仰ぎ
  一点の恥辱(はじ)なきことを
  葉あいにそよぐ風にも
  わたしは心痛んだ
  星をうたう心で
  生きとし生けるものをいとおしまねば              
  そしてわたしに与えられた道を
  歩みゆかねば

  今宵も星が風に吹き晒される」(「空と風と星と詩」)

私も、自分の命を燃やすに足るものがあったことは、幸せだった。

私たちの時代はかつてに比べると、物質的に恵まれている。

韓国でも最近はそうだと言う。

そのような時代に、「白バラ」の青年たちは私たちに何を投げかけてくれるのだろう?

公開はもうすぐだ。

以下は、韓国『東亜日報』の記事より

*************************************

386(1980年代に大学入学、1960年代生まれ)世代たちが大学に通っていた時、一種の必読書リストに「白バラ」というのがあった。第2次大戦当時、ナチ政府に反対したドイツの若者たちの抵抗をつづった手記だ。主人公はゾフィー・ショルとハンス・ショルの兄妹。当時、彼らの物語は、軍事政権に反感を持っていた韓国の若者たちに時空を越え、抵抗と自由の意味をつづった本として幅広く読まれた。

22日、ソウル鐘路(チョンロ)2街のシネコアで封切られる「ゾフィー・ショル最期の日々」は、この本の主人公であるゾフィー・ショルの生を描いた映画だ。学校でヒトラーを非難するビラを密かに撤いたため検挙される瞬間から死刑に至る5日間のことだ。


大学時代に本を読み、20年以上も過ぎてから出会う映画は一味違っていた。彼女の生が、政治的行為ではなく、芸術的行為に見えたのだ。監獄の中でも信念を捨てず、命を助けてやるという調査官の誘惑にも屈せずに、草木のように命を捨てる彼女の生は、理念が消えたこの欲望の時代には、単に欲望の一つと思える。だから新鮮だ。


何かを主張しても、だれでも「正しい」と認めてくれた時代には、ゾフィーのように後先かまわず没入することができた。しかし、没入の対象があまりにも多くなった今は、何かに狂いたくても狂えない。だから現代人たちはゾフィーより幸せであり、またゾフィーより不幸だ。緻密な構成と密度ある演技、古色蒼然した昔のヨーロッパのイメージを盛り込み、映画としても完成度が高い。昔、この本に関わる思い出のある人たちなら、映画を見ながら、あれこれ考えることが多いと思う。







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最終更新日  2006.06.15 16:34:24
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