075686 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

韓国 愛の劇場

韓国 愛の劇場

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

お気に入りブログ

きものライフ あや@大阪さん
7号室から 港のともこさん
Bookworm ☆chatterboxさん

コメント新着

アンジョンヨン@ Re[3]:韓国の中の日本語のゆくえ(01/06) 土手に咲く向日葵さん 貴重な現場からの…
土手に咲く向日葵@ Re[2]:韓国の中の日本語のゆくえ(01/06) アンジョンヨンさん >大学でもこれから…
アンジョンヨン@ Re[1]:韓国の中の日本語のゆくえ(01/06) 大学でもこれからの韓国は多文化社会だと…
土手に咲く向日葵@ Re:韓国の中の日本語のゆくえ(01/06) その通りですよね。私も高校の教師をして…
アンジョンヨン@ Re[1]:非正規職から正規職へ(08/17) あや@大阪さん そうでしたか。5月に家族…

ニューストピックス

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

アンジョンヨン

アンジョンヨン

フリーページ

2008.05.06
XML
よしもとばななさんについてはネットの新聞にインタビュー記事などがたまに出る。
これも、資料のうちの一つとして保存しておきたい。

**********************************************************

「ばなな現象」から20年 出産、育児経て 深み増す世界
「軽々しいもの書けない」
写真の拡大

すでに次作に取りかかっているという。「ファンタジーで、重いテーマです」 作家のよしもとばななさん(43)が、ハワイを舞台にした書き下ろし長編『サウスポイント』(中央公論新社)を刊行した。『キッチン』で鮮烈なデビューを飾ってから20年。「あっという間だったような長かったような……本当にあまり実感がないんです」。一語一語、確かめるように語り始めた。(金巻有美)

 デビューした1987年は、日本中がバブル景気に沸き、物質的な豊かさがもてはやされた時代。そんな中、簡潔で柔らかな文体で「死」「家族」といった繊細なモチーフを描いた作品世界は、敏感な若い世代の絶大な支持を得て「ばなな現象」を巻き起こした。作品は海外でも人気が高く、30か国以上で翻訳出版。現在、村上春樹と並んで世界的に知られる作家だ。

 デビュー当時は「自分のことで精いっぱいで周りの反応を気にするどころじゃなかった」と話す。『TUGUMI』『アムリタ』など、どの作品にも生と死のイメージが漂うが、人生で避けられないこれらの出来事に遭遇したときの感情、そしてそれをじっくり時間をかけて受け入れ、癒やしを得る過程を常に描いてきた。現在のスピリチュアルブームを先取りしてきたようにも思えるが、「大事なことは考えるのに100年ぐらいかかるんじゃないかな」と、作品に向かう姿勢は20年間変わらない。

 一方、社会は大きく変わった。インターネットや携帯電話の普及、凶悪事件やテロ、生活格差……。「いつの時代も、露骨にではなくてもその時代が要求しているものを書いているような気がする」と語る作家は、現代をどう見るのか。

 「今求められているのは、人間の本能的なものじゃないでしょうか。自分が今、何を感じているのか、どういう状況にあるのか、そういうことをみんなもうちょっと知りたいんじゃないかという印象があります」

 最新作は、前作『まぼろしハワイ』と同じハワイに取材。5、6年前に訪れ、「文化や禁忌的なこと、魔術的なものが深そう」と感じたという。以来、年2回は現地に足を運び、フラダンスも習った。

 表題にもなったハワイ島南端の地「サウスポイント」は、作中、奇跡的な出会いが起きる場所として描かれる。主人公はキルト作家のテトラ。ある日立ち寄ったスーパーで、昔、初恋の少年・珠彦に送った手紙がそのまま歌詞になったハワイアンミュージックを耳にした彼女は、導かれるようにハワイへ向かう。

 <心の中まで、人に借りた時間を生きたくないよ><ここにいれば、全部の光の中に、波の中に、雨の中に、虹の中に、いつだって君がいた>――。随所にちりばめられた会話や言葉は、雄大なハワイの自然の中で、柔らかさだけでなく、力強さを持って胸に響いてくる。

 この20年間で、変わったこともある。最大の変化は、「子供が産まれたこと」だ。息子は現在5歳。食事や弁当を作り、飼っている動物たちの世話をして……と子育てと家事中心の生活を送る。それでも、息子との毎日は気付きの連続だという。「自分はこんな簡単なこと忘れてたのか、とか、何でこういうことを疑問に思ってなかったんだろう、とか、こちらが教わる立場だなあと思うことは多いですね」

 そしてようやく今、「作品が変わるかもしれない」と思い始めた。「子供を持つということがやっと腑(ふ)に落ちてきた。これからはぺらぺらしたもの、軽々しいものが書けなくなると思いますね。命を預かってるというか、登場人物も一人の人間で親がいる。そう思うと、その人の気持ちを軽々しくは書けないな、って」

 読書を通じ、「本に救われてきた」という。だからこそ、「自分もできれば本で人の気持ちを一瞬でもいいから軽くしたい」との思いを込めて小説を書き続けてきた。出産、育児を経て、その世界は、さらに深みを増していく。

(2008年5月2日 読売新聞)







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.05.06 23:18:42
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X