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出来ん坊主が「成長」する物語がやはりウケのトレンドであることは間違いない。
過去、同じような漫画があった。 今でこそキャプ翼の枕がついている高橋陽一だが、嘗てボクシング漫画・チビと言うのを描いていた。 もう十数年も前のことだ。 タイトル通り主人公はチビで皆からいじめられていたのだが、これが少年誌の黄金パターンで、 ひょんなことから導かれるようにしてとあるスポーツ(ここではボクシング)を始めていくのである。 当時はあんまり反応も冷ややかだったな。 早く出過ぎたのもある。 この時でさえいじめ問題が露になった頃である。 ただ、当時もいじめに対する認識が非常に低く、多数派にとっては小さな成長が興味持たないということもあったのだろう。 逆に流行ったのが、アウトローがこうしたスポーツに出会うことにより「目覚め」て嵌ってゆくものだった。 スラムダンクね。 元々強い主人公が更なる強敵に挑んでいく話が多かった。 格闘アクション漫画もそんな感じ。 そればかりがまだ認識の範囲だったから、当時のそれは受けなかったこともあるが、それだけでなく、作品自体がトントン調子なのだ。 周りが主人公の彼に対して御膳立てをするかの如く、敵対キャラやイベントを用意してくれる訳だ。 最近のスポーツ漫画もそればかり。 主人公にとって始めっから挫折のような人生だから、挫折そのものがない。 辞めようと、降りようと思う気持をこうした主人公達は持ち合わせていないのだ。 そりゃそうだ、藁をも掴む思いで縋った最後の機会だ。 ここで挫けては全てがオジャンとなる。 まるで賽の河原でひたすら地蔵菩薩の来迎を待つ亡者そのもの。 いきなり立ち直れない位の強敵でも咬まして呉れないかなと思う。 殆んどドラクエとかRPGのように、最初は雑魚を噛ませて最終的にラスボスに当たらすという、如何にも「成長」を装った御膳立てが実に多いこと多いこと。 まあ、弱チンだらけの社会に引っ繰り返ったからこそ、安易に感情移入の出来る対象が欲しかったのだろう。 しかし、結論から言わせれば、人は成長なんかしない。 体つきに変化が出て来るだけ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.08.15 07:18:20
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