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2007.12.19
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カテゴリ:サブカル我流評論
勿論、借りて観たのだが、映像特典のテレビドラマシリーズははっきり言って要らないな。

興味ないし、オマケにしても食い付く人間て居るのかというくらい無駄なものだ。

さて、この作品の感想は一字一句述べていくと日が暮れて夜が明けてしまう。

僅か二時間枠だが、戦闘シーンのみに特化した映画であるなと、思う。

物事は単純明快であった方がのめり込め易いもんだ。

主役はギリシャのレオニダス王率いる僅か三百人足らずのスパルタの戦士達。
悪役は世界を統ぶる王クセルクセスを頂いた百万の軍勢たるペルシャである。

原作が漫画だからであろう、何となく判り易い。
クセルクセスがこれまた大魔王の名に相応しいかのような出で立ちをしており、冷静沈着で、裸なんだが煌めく装飾を纏っており、そこでも印象が残る。

あからさまな正邪の区別を付けさせるのも、好ましく思えないが、ここはここでハッキリと立場を明確にさせたものも好きだ。

個人的に悪役好みなのだ。
ペルシャなんて国はもう、有史以来ずっと悪役を背負っている。
我が国日本は高々六十余年足らずで悪役の名を被ること厭がるが、ペルシャ(イラン)を見習え。
ペルシャこそ五千年も悪役の儘だ。

我が国は二千年の最中、歴史から放っとかれたから汚名には慣れていないのだろう。
ペルシャの強かな構えから学ぶことはある筈だ。

話を元に戻せば、主役にカメラが回り勝ちだが、レオニダスの踏ん張りどころが見られる一方、あのクセルクセスとて、誉めるべき所が見付けられる。

クセルクセスは王の中の王と名乗る位だ。
その威厳と風格が伝わる。

翻って、レオニダスは王の器ではない。
僅か三百人の戦士で立ち向かう事も愚かしいが、一先ずその判断はおいとくとして、統率が取れていたのはスパルタの戦士位で後は寄せ集めで士気も儘ならない。
皆、途中で逃げてしまっているし、王が留守の時は既に買収されている者も居た。

物語の当初は侵掠に抗う姿勢を見せてはいるものの、その時ですら既にペルシャの手が深く入り込んで居た。

武器や武力、暴力で交渉する傍ら、根回しや買収、色々な小細工を予め打たせていくものなのだ。

ギリシャが諸国共々都市毎に分かれていて纏まりがなく、逆にペルシャは全体主義的の様に描かれてはいたが、これこそ国を纏めていくことに於いて重要なものだ。

度々出ていたが、併合されてもその国の自治及び文化、風習は守られると約束している。

レオニダスに戦士になることを否定させられた異形の男はペルシャでは幹部になっている。
しかも戦士の服を着ている。

さて、どちらが王として相応しいのだろうか?

実はどちらとも正しい。
戦える戦士しか採らないレオニダスは正しいのである。王というよりも、軍団長だな。
リーダーであることには変わりはないのだが。

愛すべき悪役達がそこにはいた。

仮面を被った黒ずくめの不死の軍団もいいが、鎖に繋がれた傷だらけの巨人、胸板が意外と無いのも、そこがリアルでよかった。
化け物じみた犀や象、魔術を使う者や、どう見ても刺青を施した倭人…東アジアの人種までもがいた。
国際色豊かさをアピールさせたい狙いもあるだろうが、アメリカ病ということもあるのだろう。
使節がピアスをつけた黒人だったし。
クセルクセスと似たような装飾をすることでペルシャ人として活躍出来る訳か。

そんじゃあ、いつか、アメリカ発の歴史映画はそのような基本型を押し付けるのかなあ?

遠藤周作の作品がアメリカで映画化されるようだが、やはり人種ごっちゃにさせるのかなあ?

まあ、最後まで信長に仕えていた弥助という黒人の侍従がいたから不可能という訳でもないな。





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Last updated  2008.01.17 01:24:20
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