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2009.01.26
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カテゴリ:毒電波テレビ感想

偶々深夜での再放送で観たのだが、こんな偉人が過去に居たんだなと改めて感心してしまうなあ。

何だか今更ながら白々しい言い方だけど。

エピソードを改めて言う必要はないが、この人にはただ只管、世の中の事を良くしようと言う考えしかないのである。

本人自身、幼い頃に大病を患い、武家よりも医師の道を選び、医学を学んだそうな。

人類を悩ませた「天然痘」の治療の研究を重ね、紆余曲折を繰り返したそうだ。

天然痘に罹った人の瘡で治そうとする人痘法というのが当時あった。

その天然痘で孫を数人失ったお婆さんが、罹らずに生き残っている子供に人痘法を施して欲しいと洪庵に請願して来た。

洪庵はそれは危険だと断ろうとしたのだが、遂に遂行してしまう。

結果は失敗して、子供は罹ってしまい死んでしまう。

 

その事を洪庵はずっと悔やんでいたそうな。

その罪悪感、罪の意識が洪庵を突き動かす原動力となったようだ。

天然痘に罹った牛から取れる牛痘で子供に植え付けてワクチンを精製し、貧しい者には無料配布、お金持ちには負担させる方策を取った。

しかし、賛同者が広がると同時に、それをネタにして悪質な商売に託け様とする悪質な輩も存在していた。

その所為でワクチン投与も滞ってしまった。

洪庵はそれでもめげず、幕府から認可を貰う為に努力もした。

 

特に面白いのは、近代医学(当時の最新の治療方法)に付いて行けない人々が、牛痘を打つと牛になると言う迷信が騒がれて、避けるようになってしまっていた。

それでも広めようとして、イラスト入りの宣伝広告を行っていたというのである。

それは余り効果なかったようだが。

どうしても来て貰う様に、貧しい者には米等の食料品を配布していたそうだ。

洪庵の考え方にはこうある。

貧しい者にお金をせびってせっかく治っても餓死してしまったら意味がないと。

その時の損得よりも、将来に亘って益となるような事をするのだ。

 

この緒方洪庵の考え方は、近代の公共福祉の精神に準ずるものである。

疫病はどんな人間にも罹る物であるから、治療は公で行う物である事。

貧しき者には無料で、富める者には公の為に負担。

賛同者を募り、病の根絶に努める。

 

今度、新札を発行するのなら、福澤諭吉の上に緒方洪庵の五万円札を作るべきである。

天は人の上に人を作らずって言った福澤諭吉の上に作ることになるが、緒方洪庵は福澤諭吉の師匠だからいいんじゃない?

福澤諭吉は緒方洪庵の適塾の塾生であった。

十万円札ならば吉田松陰でいいんじゃない?






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Last updated  2009.01.27 05:02:10
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