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カテゴリ:独断と偏見な時評
公益法人なのに儲け過ぎだという指摘がある。
確かに、儲け過ぎなのである。
検定料が一科目3000円位からなのだ。 準一級から5000円なのだが、前年度の受験者が凡そ270万人位なのだ。 こう考えると、3000円×270万人で大体、81億円もの利益を上げているのだ。
財団法人って、基本的に「儲けてはいけない」んじゃなかったの? そしたら、理事長が邸宅も買っていて墓も大層な物に仕上げていたそうだ。
こういう所でちょろまかしていたのか。 今更文句は言えない。 文句なんか言わない。
自分としてはどうでもいいのである。 まあ、受験料が安くなれば良いに越した事は無いけど。
なんでこんな漢検に本当に命懸けるのだろう? 別に懸けないけど。 270万人が受けているのは、受験や就職に有利だと言うが、それは大きな間違いである。
何しろ、一国の皇帝直属の宰相が漢字が読めなかったりしているのだ。 仮令、漢字が読めなくても、皇帝の宰相(内閣総理大臣であるローゼン閣下)を務める事が出来るからだ。
恐らく、こうした事例が続いているから、漢字熱も冷めるだろう。
しかし、漢字検定を受験する者はそれこそ老若男女、多種多様である。
早い話、権威主義だからである。
日本人が生まれた時から触れる事の出来る文字で、数千から数万にも及ぶ奥深い文字だから、入口がとっても広いのである。
日本人が、1945文字+αの漢字と仮名文字の他にアラビア文字やチベット文字を覚えろ!て言われたら厭になるに決まってる。 小学生の時に26文字のアルファベットも覚えさせられるのだから、その時点で日本人の言語習得能力の許容範囲をオーヴァーしてしまう。
中国人は凡そ4000文字の漢字を学ぶのだそうな。 それは日本人も似たようなもので、中学卒業したら高校で1000文字程度学ぶ。 大学でも社会でも、法律を理解するために文字と格闘せねばならない。 中国人が漢字を良く知っていて凄いな、と思うかも知れないが、大体日本人と同じ程度の漢字を学ぶのである。 最早御存知だろうが、大陸の漢字は崩し字である。 中文で殆んど記号だ。
広東語は文字に出来ない様で、漢字に色々文字を作ったりして当て嵌めている努力をしている。 しかし、現代の中文(北京語他)はあれは殆んど日本語の語彙を英語のような構文で成り立たせているのである。
それだけでなく、中国の格差は恐るべきもの。 貧しさやインフラ未整備故に教育に与れない人がいる。
中国人の要件とは何か? 中国語を話す者? 中国籍を持つ者? それじゃあ台湾人は? シンガポール人は? 華僑は? 漢字を知る者が中国人かも知れないが、中国人でも文字が読めない人もいる。
現在は男女に10パーセントの差はあれど、識字率は90パーセント程度だと言う(詰まり文字の読めない人達が1億2000万人もいるのだ。これは日本人と同数ということだ)。 項羽の様に自分の名前さえ書ければそれに越した事は無いかも知れないが、一人っ子政策の煽りを受けた戸籍に入らない黒孩子(ヘイハイズ)と言う人達がいる。 彼らの潜在的な人口は4000万人とも言われるらしいが、本当は1~2億人はいるんじゃないかと言われる。 当然、戸籍が無いのだから、まともな教育を受けられる訳もない。 話が逸れたが、巨大な人口を抱えてそれで中央集権国家なのだから実態が掴めない。正に暗黒の大陸だ。
中国人より漢字を知る日本人がいるが彼等は中国人かな? 尤も、漢字の本場であるからこそ、漢字の奥深さに嵌まるのである。
対して、台湾はどうか。 台湾は、一応「中華民国」が支配しているのである。
台湾の帝王だった蒋介石が左翼である中文を嫌っていたために、右書きの縦書きの正字体そのままを採用した結果があんな風な懐かしい漢字だらけになっているのである。
蒋介石はあれはあれで、権威主義者だったのである。 丸で南北に分断されているモンゴルの採用文字みたいなものだ。 外蒙古(モンゴル国)はキリル文字で、内蒙古(南モンゴル)はパスパ文字(縦書きの蒙古文字)と読み方は同じだが文字がバラバラと言う悲しい状況なのだ。 これはモルドバとルーマニアもそうで、キリル文字とローマ字の違いで分けられてしまっている。
恐らく、台湾人は漢字の違いで中国人とは違うよと自ずとアイデンティティを確立させているのではないか? しかし、あんな日本人でも書かないような文字を台湾人の子弟に書かせるのは苦労かけるのでは?
折角、GHQが漢字制限させようと努力しても結局、日本人は漢字を学んでしまうのである。
これも教養主義と権威主義と入り口の広さ故の結果なのだ。
魁!男塾やBLEACHなんかは、普段の生活では知り得ない漢字が矢鱈めったらに出て来る。 偽教養の成せる技だ。
BLEACHはそうした偽教養の鍍金が剥がれ落ちて来たので、最近では(ちょっと前から)スペイン語を使い始める様になった。
死神の世界(尸魂界)は漢字だらけで、ウェコムンド(虚圏)はスペイン語だ。
誰も知り得ない世界をこっちが教えてやっているんだと言う啓蒙思想の拗けた権威主義思想である。
作者は悪くないよ。 少年にとっては世界を知る足掛かりだ。 読んでて面白いし。
今更英語なんか使ったって、翻訳機があるのだし、駅前留学なんて出来るのだし、もうお腹一杯なのである。
だから、スペイン語。 ちらほらドイツ語なんかあったが、久保帯人の見る目は違うなあ。
どんな人間も手の出せる簡単な権威主義の証とは「漢字」だけである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.02.10 06:09:54
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