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2010.01.25
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カテゴリ:映画日和

印象としては、ほぼネタバレになるので避けたい所だが、なんでもう一度このストーリーを映画でやる必要あるの?

と言う感じではあったが、これは原作準拠だと言う事を考えればさもありなんである。

 

放送版ではアーチャーの正体は解らず終いだった。

他の英霊は正体が判っているのに、何故かアーチャーだけは判らない。

 

皆夫々、古の英雄であるのだがアーチャーだけは何処から来ているのか解らない。

 

パンフレットにもアーチャーの正体は書いてない。

答えは劇場で判るからである。

 

放送版ではキャスターと戦う時に、アーチャーの武器である干将や莫耶をトレースオンした衛宮士郎だがここでも出しているのである。

 

ここで既に正体が判ってしまうのだが、士郎は正義の味方になるという理想を抱いているのである。

アーチャーはそんな士郎に理想を抱いて溺死しろと吐き捨てる。

 

何故其処迄構うのか。

凛は無茶する士郎を理解出来ずにいる。

それは自分が呼んだアーチャーに対してもそうである。

 

しかし、これを観て行く限り、アーチャーとはつくづく哀しみに満ちた男であるなと思った。

男は背中で語るものだ。

 

背中の広い男は大人であると言う証。

アーチャーとは正に、士郎の理想でもあり、そして軽侮すべき男なのでもある

 

理想の偶像は、自らの投影。

アーチャーとは何者か、何だか悲しくなってくる。

 

これから先、士郎が突き進む所がかの理想である。

 

何故にアーチャーは凛の下へ召喚されたか。

何かしらの因縁があるのだろう。

 

映画のアクションシーンは久々に観て秀逸ではあった。

胸が躍るとはこの事か。

そして、原作はエロゲーだと言う事も忘れてはならない。

その片鱗を窺う事が出来る。

 

古には英雄と云うのは居ただろう。

しかし、この現し世には英雄と云うのは存在しない。

居なくなってしまった。

 

現実的には日本でも英雄は存在した。

それも遙か遠くの話ではない。

だが我々は忘れてしまっている。

 

英雄を見い出そうとすれば足を引っ張る。

すっかり出て来なくなってしまった。

 

もはや英雄は創作の話にしか出て来ない。

遠く過去の話である。

 

だが、原作エロゲーのこのFateは主人公は確かに衛宮士郎だが、プレイヤーこそが主人公である。

プレイヤーの投影が士郎である。

詰まり何が言いたいかと言うと、理想は遙か遠くの二次元であるのだが、士郎が目指すものが正義の味方であるから、プレイヤー自身が理想、将来を描く事が出来るのである。

 

この道へ進んで後悔する事無く、突き進んで欲しい、と言う事になるのだろうか?

 

原作準拠ならあと一つ、ルートがあるのだからそれが出て来るのを楽しみにしている。

 

アーチャーって結局生前は何をしていた人なのだろう?

英雄無き時代に、何を目指し、何を守って来たのだろう?

決して英雄と呼ばれる事も無いのに、何故自らを犠牲にする?

 

ある意味、哀しみを背負う男こそ童貞なのだと思った。

童貞は、性的な意味でもあるのだが、精神で語るのなら、一切の哀しみや苦しみを引き受ける事を良しとし、敢えて名を捨てる男なのだと、そう感じる。

古ではキリストとかそうだよなあ。

 

創作の世界では、木枯らし紋次郎。

ケンシロウ。

 

名を捨てるのだから、数多には無名の英雄は居る筈である。

松本零二の父なんかも、そうだな。

 

現実的には、自演乙(長島☆自演乙☆雄一郎)なんかそうなんだけど、彼は最早ピエロ。

負けているからとかではなく、平和な時代にしかも英雄が存在しない時代に於いて、鳥籠の中で舞い続ける、偶像に過ぎない。

仮令、彼女が居ても公言できないのなら最早それは全てのオタク達の哀しみを背負って立つから他ならない。

オタクって、どんだけ苦しんで来たのだろう?

コメント数も半端じゃない。

負けた後のブログコメが4桁を超える。

 

オタクって個にして全の所があるから、同調し易いのだ。

ローゼン閣下を応援してたしな。

思想とかそういうのを超えていた。

 

英雄は、偶像(理想の産物)の中からしか生まれないのなら、必然的にオタクの中から生まれて来るのだろう。

 

そう言えば、映画館の中の観客達は、池袋であるにも拘らず、むさいオタクだらけだったな。

皆の理想が英雄ならば、何れ又英雄は甦る。






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Last updated  2010.01.26 04:43:29
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