清浄の草むら

アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者 1 講談社ラノベ文庫 / 榊一郎 【文庫】

アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者 2 講談社ラノベ文庫 / 榊一郎 【文庫】

アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者 3 講談社ラノベ文庫 / 榊一郎 【文庫】

第二話はあんまり変化ないな。

読み書きをミュセルに教える慎一。中退のニートが教えるのか。

要するに、現実世界じゃ全く通用しないから未開若しくは遅れた世界で上の立場に立つんだねえ。

嫌味な言い方してしまった。

慎一は理不尽な身分制度に異を唱える。

まあこの辺りはゼロ魔の平賀才人と同じだな。 

現実世界の皆さん、現代日本に生まれてよかったねえ。

身分制度が当然な世界ではペトラルカがミュセルに対して酷い仕打ちをするのだが、その事を慎一は嫌ってペトラルカを物凄い形相で睨み付けるんだな。

なぜそうなるかってったら、慎一が嘗て自分がオタクだからってことで好きな女子から嫌われたからなんだそうな。こう言うのを属性批判らしい。

身分とは違って、キャラクター（個性・性格）によるものだかららしいが、これもよくよく考えて見れば「趣味による性格」だよなあ。

世間様に溶け込むには「オタクやめろ」とすればいいのだから。でもこれも偏見があって、オタクって辞められない。気付いたらそうなってたのだから。

身分制度も辞められないわな。一生それだから。

でも、我が国もそう言った制度を全て取っ払ったのだから皆平等なはず。

インドだってそう。憲法で身分制度をきっちり否定してるのだが…。それでも庶民はヴァルナを受け容れてんだから。

我が国も身分制度を受け容れてんじゃないかと思う。奴隷道徳がすっかり罷り通ってしまってるよなあ。

マブラヴとかの世界では身分制度が存在してる。コードギアスもそうだよね。 

エロゲーなんかはプリンセスラバー！もそうだけど、パラレル世界に於いて絶対攻略不可能な身分制度に甘んじる主役達が先ずあって、愛の力で克服するというそんな実はロミオとジュリエットみたいな陳腐な話だったりするよなあ。

現実が絶対攻略不可なクソゲーだから仕方ないのかも知れんが。

エロゲーの系譜を受け継ぐラノベもまた、そのような傾向が強いのかも知れんな。

現実は憲法でも否定してる身分制度みたいなものがきっちり存在していて、愛の力でも克服できずにその人は死んでしまうのだから。

それを克服して来たのは、何を隠そう身分制度でも救済措置システムである『お見合い』だったんだけどさあ。

今はそのお見合いすらも馬鹿にされ嘲笑され否定されてしまってんだから、能力の差で持たざる者にとっては永遠に攻略不可能な世界に居続けることとなってしまうのだが。

身分制度否定しても元々先祖から受け継がれた財産さえあればその人は永遠にそのまんま。金持ちは絶対に没落しないのだから。

そうした不平等を克服するために、身分制度を取っ払って国民化させるために「教育」を充実させてきたのが「政府」なんだけどさ。

今の人達って、そういうことを忘れているよね。日本の教育システムがどれほど凄いか。

明治時代の九州（薩摩あたり）の識字率が恐ろしいほど低かったらしい。薩長土肥のお膝元なのにね。

明治時代調査したら全体的に識字率が低い、文盲率が多かったんだけどそれが、終戦間近で米軍が学力調査したらほぼ全ての人が読み書きで来たという。

ニートやってる慎一ですらネットが出来たのだから初等教育がどれほど凄いか思い知らされるだろうけど。漫画の世界だけど。

それで、ミュセルに文字教えて漫画を読ませるまでに至るほどになるのだから。ペトラルカを膝に乗せて本を読ませてるようだけど、日本語は如何に皇帝でも通用しないものなのか。

平賀才人もそうだけど、ハルケギニアの身分制度に歯向かってたりしてたんだけど、それが結局自身が貴族になってしまうというオチに辿り着くんだな。相変わらず鞏固な身分制度は崩せない。

トリステインの王家は戦争などの出費で財産が底を尽くのだが。でも国家が崩壊する要件って、王室の財産が蕩尽することなんだよね。

インドのムガル帝国も財産が無くなってイギリス王室に冠を売ってしまうことになるし、李朝もまた、財政が破綻して日本に併合されざるを得なくなるし、清朝皇帝もそうだったよね。

ロマノフ朝もまた、財政が厳しくなって卵を宝石で鏤めた豪華な調度品も段々ショボくなっていったという。

そうやって他国や国内の反対派からも付け込まれて政権を明け渡すことになるんだよね。

しかしエジプトは相変わらずムバラクが8兆円くらいの財産を持ったままだからいつでも復活出来ちゃうんだよね。ネパールも相変わらずギャネンドラが事業主だからいざとなれば政権に返り咲く可能性だって否定出来ないな。

ただ、トリステインが崩壊しなかったのは国民化させなかった事に依るんだよねえ。創作だから何でもありだけど。才人が名前を貰って貴族になるだけの話。

平民だったシエスタはそのまんまだけど、才人のお付であることは変わらんわなあ。

コードギアスでは日本がブリタニア帝国からの軛を脱したのは、政権を逐われた人達を掻き集めて切り崩したことに依るのだが、ゼロ魔ではそれがないんだわな。

※トリステインでは魔法学院を中心にウンディーネ騎士隊を結成してたけど。 

ハルケギニアの国々見ても政権が引っ繰り返っても元に戻るだけ。

小澤一郎が政権を取ろうとして、野党やら政権逐われた人間を寄せ集めて対抗して国政を引っ掻き回したけど、自身の思いとは裏腹に段々ちっちゃくなってたよなあ。実は小澤はいまだにアメリカのスパイなんじゃないかとさえ思えてくる（笑）

財産はめっちゃくちゃあるんだけどさ。

ロマノフ朝が崩壊したのは共産党が財産を強奪した他成らないんだよね。それで赤い貴族たちが蔓延るようになっちまった。ノーメンクラツーラ達が。

オタクの力で神聖エルダント帝国を崩せるかね？

文化が貧弱だからオタク文化を分け与えようとなるのだが、教育が施されてないから楽しむことが出来ない。それで教育施したら国民が覚醒して政権を切り崩してしまうんかね。

オタクってのは抗えない現実から避難するためのものだったのに。

身分制度のある世界で通用したのは宗教なんだけどさ、でも中世ってその宗教すら貴族とか知恵のある宗教家が独占してて庶民を苦しめて来た訳だが。

オタクも一種の宗教なのかもしれんなあ。