満天記念日（建築の話しましょう。「建築目安箱」）

とおりすがるさんからご質問いただきました。


布基礎　無筋　の　ひび割れ について


日記のアドレスリンクがありませんでしたので、ここでお返事いたします。

基礎のひび割れには様々な要因が挙げられます。
ご質問の内容だけで、ＯＫかＮＯかの判断は出来ませんので、ご了承下さい。

基礎を無筋と判断した設計事務所はその住宅を設計した設計士なのでしょうか？またどのようなチェックをして無筋とされたのでしょうか？図面チェックでしょうか？現場を見たのでしょうか？

住宅金融公庫仕様の基礎は鉄筋が標準とありますが、ご指摘のお宅は住宅金融公庫の融資を受けているのでしょうか？１４年前ですと、住宅金融公庫では基礎の鉄筋は標準仕様ですので、入っていなければ、中間検査でアウトになっているはずです。

もし、無筋と判定された設計事務所さんがその手続きを行っていて、鉄筋が入っていないのを承知されていたのであれば、金融公庫の仕様不適格建築物を承知ということですので、ひび割れが安全かどうかの判断より以前のレベルの問題となります。

５箇所のひび割れはどの位置に発生しているのでしょうか？
また長さ、巾はどの程度でしょうか？
あなたのお住いの地域はどちらでしょうか？

ひび割れには大きく分けると構造クラック（ひび）と乾燥収縮クラックとアルカリ骨材反応の３種類があります。
各種の説明は長くなりますので省略します。

基礎の表面に塗られたモルタルが築年数とともに劣化し糸状の細いひび割れであれば構造的なものではありませんので構造的には大丈夫です（美観的には問題があるでしょう）。乾燥収縮クラックであれば、ひびも巾が細く深さも浅いのが通常です。
構造クラックであれば、巾も０．５ミリ以上で深く割れてきますので注意が必要です。
ひび割れが構造クラックだから、壊れるというものではありませんが、耐力がなくなっているために、地震などの災害時に破壊される恐れがあります。

ひび割れだけを補修したから大丈夫というわけでもありません。地盤などが不同沈下を起こし、基礎が一定ではなく、不ぞろいで不均等に沈下や隆起などを起してクラックが発生した場合は、基礎のひび割れだけを補修しても何の解決にもなりません。

ご相談の回答にはならなかったと思いますが、基礎のひび割れの発生は複雑な要素がからんできます。お聞きになられた設計事務所があるようですので、設計事務所に再調査を依頼されて判断されるのが一番だと思います。