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2006/03/08
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カテゴリ:なるほど情報
昨日のNHK「プロフェッショナル」を見てしまった。
グッと来た。
感動した。

テーマは今どき珍しい「左官屋」さんの話でした。
飛騨の高山で左官業を営む男の生き様、職人技の放送でした。
建築業界の中で衰退している業種の筆頭が左官屋さんです。

畳屋さんや建具屋さんも仕事は激減ですが、左官屋さんもしかり・・・

しかし、しかし、この左官屋さん「挟土秀平」(はさどしゅうへい)さんは
来年まで仕事が詰まっているそうであります。
仕事の依頼先は全国津々浦々、どこまでも出かけるそうです。

左官材はモルタルなどを使わず、自分で見つけた自然の土を材料としています。
名前が「挟土」で土を使う左官屋さん。。。。出来すぎかなと。。。。


左官屋さんを私たちは「壁屋さん」と呼んでしましたが、
この人はコーディネーターであり、デザイナーであり、職人です。
「壁屋」のくくりで紹介するのは可愛そうです。

作品のページがありました。


http://www.nhk.or.jp/professional/tool/060307/index.html


このページの写真の左上に「月」の写真がありますが、この月面も左官仕上げだそうです。
驚き!

この人の生き様は常に「臆病」なのだそうです。
いつも新しい事にチャレンジしているのですが、いつも、ビクビクしています。
「大丈夫なんだろうか・・」「うまくいくかな」「絶対失敗する・・」
現場でいつもこう考えているそうです。
だから、大胆で、細心な仕事ができるのだそうです。

そういえば、私が依頼している大工さんのグループも誰一人として
仕事中に「うまくいった!」と言ったことがありません。
常に「わかんねえなぁ」「なんでだ・・」「できねえよ・・」ばかりです。
これは私が無理な注文をしているときなのですが、そういう時は必ず、
出来上がりが、私が望んでいたもの以上の仕事をしてくれています。

最初は私も仕事を任せるのが不安なくらいぼやいていたので、
組(職人のグループのこと)を替えようかな、とも思いました。
でも、出来上がった仕事を見ると、なるほど、そうきたか・・・・

私が依頼した仕事以上の納まりをしてくれるのです。

そういう実感があったのです。、、で、挟土さんの仕事のモットーの一つ。
施主からの以来を「こなす」のではなく
施主の以来を「超える」仕事をする。ことだそうです。

この人は本当に職人だと思います。

ある現場で壁一面を春の花吹雪で表現してくれと施主から依頼され、
塗り始めてから、失敗が3回。
海岸沿いで、海風が強く、壁の乾燥にムラが出来る。
自然が相手なので、仕方がないことなのですが、挟土さんは妥協しない。

完成して塗りムラが出来て塗り直す。
半年後に現場を見に行った職人から「少しヒビが入った」と連絡が入ると
また、塗り直しを決断。

このときは職人も流石に反対して「施主のことも考えないと・・」

少しのヒビ割れなので、施主は無理して修理しなくてもいいと、言っているそう。
引渡しが終った現場に左官屋が何度も入るのは、施主もある意味大変だろう・・・

でも挟土さんは言う

我々がこの仕事をハンパに投げ出して、妥協したことは施主様に対して
もっと迷惑をかけていることなんじゃないか?
折角我々を選んでくれたのに、そんな仕事しか出来なかったら、
もっと失礼なんじゃないか。俺たちの仕事はそんなはずじゃないはずでしょ。。。

そう言いきる。

補修費はもちろん自腹である。赤字だな。。。。。


すごいなあ。。。。こんな人見たことないです。

こういう左官仕事だったら、現場に取り入れても、自慢できますね。


この番組を見た建築デザイナーも多いと思います。

自分たちの建築に対する意識。もう少し見直す必要があるかもしれません。
北海道で、また構造計算で、いろいろあるようです。
この建築士は会見で「自分の理念は間違っていない」という理由で
保有水平耐力の見解が納得できない、という理由で、
計算の数値を入れ替えたそうです。

自分の理念に基けば「法」を無視する。
オーム真理教も自分たちの信念、理念で行動したはず、、、
それと同じレベルではないにしろ、
それだけの理由で、自分の考えを正論化することは間違っていないのかな。。。と、
思うのですが

暫くぶりに、建築の話題でした。





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Last updated  2006/03/08 01:11:10 PM
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