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2007/01/21
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カテゴリ:なるほど情報

とにかく住宅というものは、建物の平面構成が一番厄介です。
商業建築のほうが平面プランは難しいんじゃないの?と思う方もいらっしゃいますが、
不特定多数の人たちが集まる箱はその全員の要望を満足する必要がないのです。
商業建築で一番満足しなければならないことは、収益をあげること。次に法律を遵守すること。
でも、箱(建築物)が立派に出来ても、お店の売り上げが伸びるか・・・
建築家の知名度と店舗の売り上げは比例しません。

有名な建築家に依頼して、、倒産。、、、という店舗をいくつも見ています。
これは建築家が悪いのではありません。
設計をする人は、デザイン、動線、コスト他想定できるあらゆることを経験から導き出し
家のプランニングをします。でも、お店が完成した後の商売のノウハウまでは
タッチしません。 建築家は家を設計できても、商売のお手伝いを直接は出来ないのです。

話が遠くなっているようですが、では、住宅ではどうでしょう。

住宅の設計をするときに、設計士はその家が何年のスパンでこのプランを使いこなすのか
ある程度頭の中に描いています。  どういうこと???
つまり、長年で変化していく家族構成を捉えてプランするということです。

商業建築のように不特定多数の人が出入りする場合。
その不特定多数の人の何パーセントの人たちが満足できるか、によって、
店の良し悪しが決められていきます。
住宅の場合は、家族全員の満足度がある程度一致しないとその家は良い家ではなくなります。

家族の中で、家の居場所を無視していいのは、大黒柱である「お父さん」だけです。
平面プランを決める時に、「子供部屋」「家事室」「老人室」などなど居室名は数あるのですが
「父室」は今まで私は作ったことがありません。「書斎」はあるのですが、これが一番
お父さんの部屋としては適した部屋名でしょうか。
でも、この部屋名はほとんどといって良いほど、最初から作られるべき部屋ではないのが
住宅設計の現状ですね。「クローゼット」と「書斎」の大きさを比べたら
もちろん「クローゼット」のほうがでかい。。。。

「母の部屋」は家全体が「母部屋」ですから大丈夫です。
母が家の中のどの部屋にいても家族から変な目で見られませんが
父が家の中で思いもよらぬ部屋にいて、ボ~~ッとしていたら、
「ここでなにしてんの?」と必ず聞かれます。悲しい限りです。。。。。。現実です。。

ま、その話は別の機会ですが、
家を建てるという行為は、ほとんどの場合壮年という年代です。
子供たちが大きく育っていくときの、育ちの生活空間として「家」は求められます。

ですから、子供部屋が主体となるのも必然なのですが、その後、子供たちが
巣立ったときの空き部屋の利用を十分に考えておくことが必要です。
私の家の子供は巣立たないというご家庭なら、その子供さんたちが家庭を持ったとき
同居する空間構成を考えていらっしゃるでしょうか。
そんな何十年もの先のことを考えて家を建てる人は少ないとは思いますが
考えなくてもいい問題。ということでもありません。

ちなみに私の家ですが、現在は私たち夫婦と父母(老人)の4人世帯です。
最盛期には私たちの子供が3人いましたから、7人家族でした。
子供たちもおかげさまで、今では3人とも社会人。別の土地で暮しています。

1Fに茶の間(洋室)、応接室(和室と洋室)、老人室、LDK、車庫、その他パブリック
2F、子供室3室(洋室7.5畳×3)、納戸、夫婦室、和室(客間10畳)、クローゼット
ものすごい部屋数のようで、今、余って仕方ないと思われるかもしれませんが
生きた部屋がなく、部屋数が足りなくて困っています。

いま、この家は私たちにとっては住み難くて仕方ありません。
紺屋の白袴。医者の不養生。自分の家ほど無計画に増改築した家はありません。

これから間取りを構成される予定の皆さんは、今ある部屋だけを考えて
そこにその部屋を限定してしまうのではなく、
次世代にはその部屋は何の部屋に変化するのか、何にすべきなのか考えて
プランを計画されると、後々、部屋替えをするとき楽になると思います。

若いうちは考えつかないかもしれませんが、せっかくですから、プランの最中に
1Fの洋室(おじいちゃんの部屋)と、メモしておけばその部屋の将来の使い方が見えてきます。
2Fの夫婦寝室(夏休みに遊びに来る孫の部屋)
今は若いご夫婦でも、30年後に一緒にいることを前提に考えれば、2階に老人室はありえない。

家は使い方や手入れで、100年以上もちます。

そういう長いスパンで家作りを考えてみることも大事なのではないかと思います。

 






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Last updated  2007/01/21 05:59:31 PM
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