階段を考える 2 階段が占める面積
階段割付の基本的なところを書いてみます。最近の階段サイズは踏面(ふみづら)225ミリ、蹴上(けあげ)190ミリ程度の寸法が標準サイズです。このサイズは最近では少し小さめかな、、とは、思いますが、家全体のバランスを考えると、問題はない寸法です。図1をご覧下さい。 標準サイズで割り付けても13段上りきりで平面寸法は2,730必要です。13段では少し急勾配だと考えると14段割り。(赤いラインまで)でも、この階段の場合1階から2階に上るのには全て直線の動線になっています。なかなかこの真っ直ぐなスペースを確保するのは大変ですし、階段は出来るなら回した方が安全です。万が一転がり落ちたときに曲がった階段ですと、どこかで引っかかって止まってくれます。私が小学校(寺子屋ではありません!)の低学年だった頃に、父と同じ会社の方がその方の自宅で酔った勢いで階段から転げ落ちました。そのとき1階の階段突き当たりは掃出し(はきだし)のガラス戸で、そのガラス戸に激突してガラス戸に突っ込んでしまったそうです。また運が悪くその割れたガラスがのどに刺さってその方は亡くなったという話を聞いていた記憶が子供心に残っています。そういう経験もあるせいか、階段の周囲に開口部を設けるのがあまり好きではないため、階段の採光は出来るだけ上部に設けるようにしています。話がそれました。そこで図の2です1820(1間or6尺)ミリのところ9段上ってから回します。回り部分は最高で3段回りです。昔の階段は4段回りもありましたが、これもまた危険な回り方です。そして残りの3段を割り付けるという形になります。押入れや収納スペース、トイレや子供部屋など、スペースとして確保していく上で、床面積上入りきれないスペースが必ず出てきます。そのとき、なんとかして10cmでも切り詰めて、部屋を配置していきますが、階段はそうはいきません。真っ直ぐなものを曲げても、とにかく14段必要なものは必要なのです。1段減らすことは出来ません。増やすことは構いませんが減らせないのです。図の3は周り階段ではなく折り返しの2段踊り場としました。図1~3まで同じ段数で上る階段ですがスペースの違いがわかったでしょ。踏面も蹴上も巾も全て同じで14段上がりの階段ですが、踊り場の設置をするかどうか、そしてどんな踊り場にするかで、面積がおよそ0.4坪近く違ってきます。坪単価50万円のお宅なら20万円分です。安全と予算は天秤にかけてはいけませんが、設計する立場の人間はこの辺の微妙な誤差を修正しながら予算を掘り出しているということをわかってあげてください。次回は手摺などを取り付けたときの階段巾の確保や安全対策などを書いてみます。ここをプチっとしていただくと私は勇気100倍!