カテゴリ:戯言
入れ歯は怖い。とても怖い。なにしろあれは入れ歯なのだ。実に恐ろしい。何が恐ろしいって、名前の通りに入れる歯なのだ。口の中に。あれは口の中に入れるものであるからして、間違って飲み込む危険性がある。喉を通過し、食道も通過し、胃までストンと落ちれば良い(良くはない)のだが、総入れ歯ではなく、残存歯に金具で固定するタイプの入れ歯であったりすると、金具がひっかかる。これが恐ろしい。想像してみてほしい。部分入れ歯の、あの銀色の爪が、喉に、突き刺さって、ひっかかるのだ。想像しただけで胃の内容物が逆流しそうになるような感覚に襲われたりはしないだろうか。そして、入れ歯がひっかかったら、それを取り除かねばならない。出る杭は打たれるし、ひっかかった入れ歯は取り除かれるのだ。さて、どうやって取り除くか。どのへんにひっかかっているかによって対応は異なるのだろうが、見える位置にひっかかっていたりする場合は、口の中に手を突っ込んで取り除くのだ。怖い怖い。だからなんだよという話ではあるが、入れ歯は怖いのでちゃんと歯磨きをしようねという話であり、お前は歯医者の回しものかという話ではあるが、私が本当に歯医者の回しものであれば仕事が増えるようにと寝る前にチョコレートを食べて歯磨きをしないで寝ようとかそういう悪しき慣習を広めるのであり、根性が悪いなあという話ではあるが、実際に私が歯科衛生士か何かであったとしても仕事が増えても給料は増えないのであろうからやはり歯磨きを励行するようにと声を大にして訴えるものである。それにあれだ、入れ歯が咽喉に引っかかって死ぬとかカッコワルイじゃないか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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