ミズウオ
漢字では「水魚」と書きます。身に多くの水分を含んでいるため水っぽい魚ということで名付けられました。全長2mを超えることもある大型の魚で、見るからに狂暴そうな格好のいい外観をしています。背鰭は鰓蓋の後端を起点とし、基底が長くて大きいことや、尾柄部には脂鰭があること、口が大きく、鋭くて大きな歯を備えていることなどが特徴として挙げられます。普通は、水深945~1,400mの中深層から漸深層に生息している深海魚の一種ですが、冬の大潮の時期には水面近くまで浮上することもあります。そのような個体の一部が岸に打ち上げられることがありますが、そんな打ち上げポイントの一つが静岡県の「三保の松原」周辺の海岸です。今回撮影した個体も、冬の大潮に合わせてわざわざ見に行った結果、岸近くに流れ着いていたところを見つけたもので、全長1.3mほどの個体でした。なお、本個体の胃内容物を確認したところ、クラゲの他、ビニール片と小石が入っており、論文等で読んだ通り、海洋プラスチックによる汚染の影響を受けていることが確認できました。ちなみに、私が本種を見てみようと思い立ったのは7年ほど前のことでしたが、大雪や仕事の都合などで予定が合わず、ついに今日ようやく出会えることができ、感無量といったところです。ミズウオ Alepisaurus ferox ヒメ目ミズウオ科 2021年2月28日 静岡県静岡市清水区三保