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テーマ:最近観た映画。(39924)
カテゴリ:歴史・城
今月12日に全国ロードショーとなった映画『火天の城』を観てきました。
映画の題字は、今年の大河ドラマ『天地人』の題字を揮毫している武田双雲氏。 最初に題字を見た際、彼の字に似ているなと思いましたが、やはりそうでした。私の大好きな書道家さんで、昔この方に名刺を創作していただいたことがあります。 さて、映画の舞台は織田信長の天下布武を象徴する安土城。 戦国時代映画としては珍しく戦のシーンがなく、宮大工(宮番匠)職人 岡部又右衛門が主役となっています。 この子孫はいまでも名古屋に住んでいらっしゃるそうです。 私は映画を娯楽として観るのではなく、常に自分の仕事とリンクさせながら観ていますが、今回も大きな学びがありました。(もちろん城好きであることも高じていますが) これから観られる方のためにも多くは書きませんが、仕事に対するプロ気質や己の利得よりも相手を思いやる精神を垣間見たように感じます。 城造りを指揮する総棟梁は、名だたる番匠たちとの設計図(指図)の入札争いで決めるシーンがあります。 名だたる番匠は、信長の要望をしっかり組み入れ、自社の技術力をアピールしますが、岡部又右衛門だけは、信長の出した要望を設計図に組み入れていません。 ある意味、自分にとっては不利になってしまいます。 しかし、信長の要望を聞き入れることは、信長の生命に危険が生じる可能性があるということを、実験を通してプロの目で信長に訴えかけました。 他の番匠は、信長に気にってもらえることや己の利得だけを考えていた(と思われる)のに対して、岡部又右衛門は職人としてこれだけは譲れないといった浅はかな考えではなく、相手を思いやった上でしっかりした城を創りたいという想いがここでは汲み取れます。 これは時代に関係なく現代にも通ずることではないでしょうか? 自社の良い部分だけを相手に見せ、その裏側に潜むリスク等の悪い部分を表に出さないといったような、そんな場面に時々出くわします。 たとえ不利になったとしても、これだけは絶対に話しておかなければいけない… そんな姿勢にはとても共感を覚えます。 もう一度観ても良いなと感じた映画でした。 ▼【映画『火天の城』公式サイト】 http://katen.jp/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 21, 2009 12:16:22 AM
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