これは1991年製作のアメリカのテレビドラマです。
のっぽのサラ
「のっぽのサラ」という児童文学を原作にしたテレビドラマシリーズの3作目で、最終話。
ケーブルテレビで放映されていたので見てみたのですが(2作までは見たことがあるのですが)やっぱり感動的でした。
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感動と言っても、じんわりと心が温まってくるような、穏やかで静かなお話です。
人と人の心のつながりの素晴らしさが感じられるような。
この三部作は、簡単に言うとこんなお話の構成になっています。
「潮風のサラ」
20世紀初頭のカンザスに、のっぽであまり美人ではないけれど、心優しくて前向きな女性が遠い東部のメイン州からはるばる旅をしてきた。
サラは、カンザスに住む2人の子持ちの男やもめの花嫁募集の記事を見て、その人と何通か文通をしただけで「1か月のお試し期間」を一緒に過ごすためにやってきたのだった。
寡黙で実直な農夫のジェイコブと、当時では珍しい「女だって何でもできるのよ」という自由な考え方を持ったサラと、可愛い女の子アンナと弟のケイレブが、厳しいカンザスの暮らしの中で心を通わせていく様子が描かれます。
「続・潮風のサラ」
カンザスを干ばつが襲い、しかも農地が焼けてしまった。
水不足で近所の人たちも出て行ってしまう中、ジェイコブはサラと子供たちをサラの生まれ故郷へ一時避難させ、一人で頑張ることに決める。
サラの生まれ故郷、メイン州の海岸沿いの美しい家に住むサラのおばさま二人やお兄さん夫婦、近所の温かな人たちと、カンザスより裕福な東部メイン州での暮らしに驚きながらも溶け込んでいく幼い二人のきょうだい。
サラも久しぶりの故郷になごんでいますが、遠く離れてみて、ジェイコブの事をどんなに愛しているかわかってくるのでした。
そしてジェイコブがとうとう、みんなを迎えに来ました。いつもと違うスーツ姿でビシッと決めて。
「潮風のサラ・冬の終わり」
1918年の冬。世界中に第一次世界大戦とインフルエンザが影を落としていた時代。
サラとジェイコブが結婚して9年。アンナは看護婦になり、戦争に出かけている恋人(勤める病院のドクターの息子、ジャスティン)がいる。
ケイレブはたくましい少年になり、もう一人、サラとジェイコブの間に可愛い女の子キャシーも生まれて幸せなウィッティング一家。
そこへ現れたのは、ジェイコブが子供の頃に彼と母を捨てて出て行ったジョン。
自分を捨てて出て行った父を憎み続けるジェイコブと、病気で先のないことを自覚し、最後に息子に会いたくてやってきたジョン。
やがてサラ、ケイレブはジョンと心を通わせていくのですが、ジェイコブの傷ついた心は父を受け入れようとしません。
ジェイコブが父とのもめごとの際に足を折る大けがをし、働くことが出来なくなった息子のために、代わりに農場の仕事を請け負う父。
そんな無茶をすれば体がどうなるか分からないのに、つぐないのために誰にも言わず働き始めるジョンの秘密をやがて知ったサラとケイレブ。
長く厳しいカンザスの冬を乗り越えて春を迎えるまでの、一家の物語。
この三部作は、見終わると、とても幸せな気分になれます。
(楽天ではDVDを見つけられなかったのですが、Amazonではアメリカ版のみ販売されているようです)
Sarah Plain & Tall Trilogy
サラとジェイコブを演じるのは、ハリウッド映画界でも演技派の名優グレン・クローズと、クリストファー・ウォーケン。
最近ではアクの強い悪役で活躍してることが多いお二人(グレン・クローズは「101」の変な悪役オバさん、クリストファー・ウォーケンは「バットマン・リターンズ」のペンギンとか)ですが、この素敵なお話の中ではぴったりの役柄を演じています。
原作は、パトリシア・マクラクランの「のっぽのサラ」と「Skylark」「Caleb's Story」(1作目は日本語版が購入可能です。確か2作目も以前は翻訳版が出ていたように思うのですが・・・3作目はアメリカ版のみです。でも、この3作目がとってもいいの(ケイレブの視点で描かれています)ので、翻訳されるといいのになー)。
なんとこのドラマの脚本も、原作者のパトリシア・マクラクランが手掛けているようです。
児童文学なのでとても簡潔で短いお話なのですが、原作ももちろんお勧めです、大人にもね