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テーマ:今日聴いた音楽(75553)
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世の中には「眠るための音楽」と称して出されたにもかかわらず、
弾き手自身がソレを否定する、と言う音楽がありました。 バッハ作曲「ゴルドベルク変奏曲」 冒頭とラストのアリア、30曲の変奏曲をもつ、 全32曲の曲です。 この曲は、眠れない伯爵のためにバッハがチェンバロ奏者ゴルドベルクに、 さあこれを弾けよ、と作った曲ですが、 この曲の「眠りのための」部分を否定したのが、グレン=グルード。 この変奏曲はすべてを2度繰り返す指示があるのですが、 グルードは1度ずつしか弾きませんでした。 そして、はじめはえらく速く弾きました。それが55年のデビュー。 そして、1回しか弾かないのに2回弾く人並みにゆっくり弾きました。それが晩年。 しかしグルードは、「癒し」のために音楽として弾いていませんでした。 ひとつひとつ、鍵盤を叩くその音は、バッハと会話をしているようにもみえます。 音が、ひとつひとつ、計算されて彩りを見せる変奏曲。 カノンを中間に挟む構造は、聴いている人の脳内をすっきりさせてくれます。 グルードのゴルドベルクを聴きながら、 自分の脳内の宇田宇多や思考回路を整理した、 誕生日前のある春の1日。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 12, 2005 01:37:38 AM
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