カテゴリ:本&出版記念セミナー
2010年11月15日(月曜日)13:30から17:10まで
東京・日本橋三井ホール(COREDO室町5F)にて、 東洋経済新報社115周年記念シンポジウム 「もう一度本気で考えよう日本!」が開催された。 月曜の昼間にも関わらず満席(定員は700名)。 柴生田春四・東洋経済新報社社長の開会挨拶のあと、 基調講演40分、半藤一利氏(作家)が「昭和と湛山」 を、 そして特別講演として、 「現代における湛山の価値」40分を寺島実郎氏、 (日本総研の理事長、多摩大学学長・NPO知研顧問) 15分の休憩を挟んで、パネルディスカッションが 行われた。「湛山の思想と現代」である。 パネリストは、 北岡伸一氏(東大教授) 田中直毅氏(国際公共政策研究センター理事長) そして 若田部昌澄氏(早大政治経済学術院教授) モデレーターは前述の柴生田氏(東洋経済新報社社 長)であった。 シンポジウム参加者全員に、その週発売の「週刊東 洋経済(2010年11月20日号)が配られ、「石橋湛山 が今、首相ならこうする」(第二特集)についても 紹介された。 それぞれの講演・パネルディスカッションとも、大 変興深いものであったが、特に印象に残ったのは 次の発言であった。 石橋湛山が先輩(10年先輩の第4代主幹・三浦銕太郎) と後輩(7年後輩の高橋亀吉)に恵まれていたこと (北岡氏の発言)と、 当時、石橋湛山が第5代主幹を務めていた「東洋経済 新報」はとても小さなメディアだったので(思う存分) 書くことができた。これが朝日新聞なら難しかっただ ろうこと(こちらも北岡氏の発言)、 である。なるほど、と思う半面、 しかしながら、どんな小さなメディアであろうが、あ の戦時下のイケイケどんどんの時代に、台湾・朝鮮の 植民地放棄を唱え、日本が道徳的に世界で一番の国に なることで、世界の主導権を握ることを提言するなど、 凄いことである。当時は、おそらく正論というよりは 理想論に過ぎないと一笑に付されたに違いない。 歯に衣を着せず、自分が思うことを堂々と書いて世間 に知らしめるような偉大な先輩を持てたことを、日本 人として本当にありがたいと思った。 シンポジウムの最後に出版局長が話をした。 その出版局長の話を聞いて、東洋経済新報社の経営理 念の中に、石橋湛山の思想哲学が入っていることを、 初めて知った。 どうもここの社員の方々は何かが違う(いい意味で) と感じていたのだが、それがやっと何かわかった気が した。 それは、やはり石橋湛山の後輩であることを肝に銘じ、 それを誇りに思いながら仕事をしているからなのだろ う。 このシンポジウムは内容的にとても充実したものだっ た。開催に関わられた関係各位に心より感謝申し上げ たい。 ちなみに、石橋湛山については、まず半藤一利氏の、 「闘う石橋湛山」を読んでみるのもよいかと思う。 そのあと、石橋湛山全集(復刻版・全16巻・東洋経済 新報社)を刊行スケジュールに合わせて、じっくり少 しずつ味わいながら読むのがいいのではと考えている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年12月19日 15時30分31秒
コメント(0) | コメントを書く
[本&出版記念セミナー] カテゴリの最新記事
|
|